製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月から増加
2020年8月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増加しました。求人件数が全体で前月を上回ったのは、今年3月以来5カ月ぶりです。
職種別に見ると、前月から増加したのは「QC・QA・監査」(38%増)や「管理薬剤師」(15%増)、「前臨床研究」(13%増)、「薬理研究」「MA・MSL」(12%増)など。一方、「マーケティング」(8%減)や「製剤研究・製剤技術」「生産技術」「MR」(7%減)、「CRA」(2%減)は減少しました。
[研究職]内資メーカーやバイオベンチャーで求人増
研究職では、内資系の新薬メーカーを中心に求人数が増加しました。バイオベンチャーでも一時落ち着いていた採用意欲が戻りつつあり、プロジェクトリーダークラスを中心に募集が行われています。一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、テクニシャンクラスの募集は減少傾向です。
[開発職]PVは堅調もCRAは2%減
先月増加したCRAは、2%減に転じました。ただ、外資系メーカーが数人の枠で募集を行っているほか、CROも採用は継続しています。
PV(ファーマコビジランス)は、前月比11%増と堅調。新薬メーカーや大手CROで、パイプラインの進捗に合わせた募集が出ています。内資系企業では、グローバルでPV業務を管理するポジションの求人も出ています。
[製造職]CMC関連中心に積極採用続く
製造職では、CMC関連の職種を中心に積極的な採用が続いています。
扱う製品は固形剤からバイオ製剤までさまざま。製品数の増加に合わせ、複数の職種にまたがって募集を行う企業も出ています。品質管理・保証に関わる求人では、英語力の必要性が高まっている印象です。
[MR/MA・MSL]MR 数人~20人規模の募集が複数
7%減となったMRは、数人~20人規模の求人がいくつか出ており、採用は数字ほどの落ち込みではありません。引き続きスポット的な求人もあり、管理職クラスの募集を始めた企業もあります。一方、早期退職の影響で転職を考える人も増えており、好条件の求人には応募が殺到することも予想されます。
最近では、外資系メーカーで積極的に女性を採用しようという企業が目立ちます。女性の登用が進むグローバルと足並みを揃えるためといい、女性MRにとっては転職活動しやすい状況と言えるでしょう。
MA・MSLは5カ月連続で増加しました。新たな求人では、内資系企業を中心に、MA部門のデジタルトランスフォーメーション(DX)を担当するポジションの募集なども出ています。デジタル化への関心の高さを反映していそうです。
※ ※ ※
来春入社の新卒採用が一段落しつつあることも重なり、今月の求人件数は全体的に増加しました。ただ、求人が増えたからといって、転職しやすい状況になったかというと、必ずしもそうではありません。応募者を見る企業の目は厳しくなっているように感じます。転職を考えている方は、いま一度、キャリアを見つめ直す時間を取ってみるのも良いかもしれません。
Answers転職サポートでは、求人情報から転職市場の動向まで幅広く情報を提供しています。転職を考えている方はもちろん、キャリアについて不安がある方もお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら。
(コンサルタント 香本牧子)
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