製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月から微減
2020年7月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月からわずかに減少しました。
職種別に見ると、前月から増加したのは「薬理研究」(14%増)や「MR」「ライセンシング・事業開発」(7%増)など。一方、「製造技術」(13%減)や「生産技術」「QC・QA・監査」(11%減)、「薬事」(10%減)などは減少しました。
[研究職]前月に続き市場は停滞気味
求人件数こそ増加したものの、新型コロナウイルス感染症の影響で市場は落ち着いた状況が続いています。
求人を詳しく見てみると、遺伝子治療や細胞治療といった新しいモダリティを扱った経験のある人材を求める募集が増えている印象。以前のように若手でもポテンシャル採用で入社できるケースは少なくなりました。
さらに基礎研究では、アカデミアからメーカーへの移籍が難しくなっているように感じます。一方で、バイオベンチャーは門戸を広げており、新型コロナウイルス感染症の影響で縮小した採用が戻ってくれば、転職のチャンスも開けてきそうです。
[開発職]CRAが久しぶりに増加
新型コロナウイルス感染症の影響で求人の減少が続いていたCRAでは、外資系CROやメーカーの新規求人が久しぶりに出てきました。例年と比べて厳しい状況ではありますが、中途採用に回復の兆しが見えてきています。
[製造職]求人件数は減少も、引き続き活況
製造職の求人は減少しました。採用枠を満たして募集を終えた求人があったためで、採用自体は引き続き活発に行われています。
最近では、治験薬を扱う求人が複数出てくるようになりました。CMC関連の職種もニーズが高く、特に新しいモダリティの製品化に関する技術・知識を持った人が歓迎される傾向にあります。
[MR]MRは2カ月ぶりの増加
MRは2カ月ぶりに増加に転じましたが、市場の傾向に大きな変化は見られません。新しい求人もスポット的なものが中心。こうした求人は応募が殺到しやすく、募集期間が短くなりがちです。メーカーへの転職を考えるなら、引き続き情報収集とタイムリーな応募が重要となります。
CSOは積極的な募集を続けています。プロジェクトに入る前に疾患領域に関する研修を手厚く行う企業もあり、こうした企業は領域未経験者でも挑戦しやすいといえそう。来月には秋口の入社に向けた募集も増える見込みです。
※ ※ ※
ここ数カ月の求人を見ていると、これまで以上に「即戦力人材」を求める企業が増えている印象です。応募できる人が限られるような求人が目立つようになり、比較的ニーズの高い製造職や開発職(モニターを除く)でも選考のハードルは上がっています。将来のキャリア像を明確にし、必要な経験を積みながら段階的に市場価値を高めていく必要があると言えるでしょう。
Answers転職サポートでは、求人情報の提供はもちろん、今後のキャリアに関するご相談まで幅広く転職のご支援を行っています。お気軽にお問い合わせください。
(コンサルタント 佐久間貴大)
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