製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月から微減
2020年6月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月からわずかに減少しました。
職種別に見ると、「開発企画・PM」「品質管理/分析研究」「製造」「MA・MSL」がいずれも前月から5%増加。一方、「PV・PMS」(13%減)や「基礎研究」(9%減)、「薬理研究」(8%減)などは減少しました。
[研究職]関西圏で新規募集も
前月にバイオベンチャーの一部で採用を縮小する動きがありましたが、関西圏の企業を中心に新規募集が開始されています。ただ、市場は全体として落ち着いてきており、求人は今後もしばらく停滞しそうです。
[開発職]PVは減少も、開発企画で募集開始の動き
開発職は、PV(ファーマコビジランス)が減少。新薬メーカーを中心に採用決定が重なったことが大きな要因ですが、アウトソースを請け負う企業でプロジェクト減少の影響を受けているケースも見受けられました。
唯一増加となったのは「開発企画・PM」。新薬メーカーで、パイプラインの拡大や組織強化に伴う求人が出ています。内資系メーカーでは、3月以降に中断した募集を再開する企業もありました。
新型コロナウイルス感染症の影響が大きかったCROでも、モニター業務を含め、少しずつ募集再開の動きが出てきているようです。
[製造職]積極採用が続く
製造職は引き続き堅調。応募者側、企業側とも活発に活動している印象です。
生産拡大に向けた増員を目的に、全国各地の工場で募集が行われています。複数の業種で募集する企業もありますが、全体でみると、「製剤」や「生産技術」の求人件数が増えています。
[MR/MA・MSL]CSOは堅調、MA・MSLは3カ月連続で増加
MRの求人件数は、21%減少した先月からさらに4%減少しました。スポット的な募集はいくつか出ていますが、メーカーでの新規求人が少なかったのが響きました。
CSOは引き続き積極的な募集が続いています。若手から中堅層に向けた募集が多く、スペシャリティ領域、プライマリー領域ともプロジェクトは豊富です。
一方、MA・MSLは、4月以降、3カ月連続で求人件数が前月を上回りました。外資系メーカーを中心に、パイプラインの進捗や適応拡大に伴う増員募集が行われています。メディカル部門の経験者はもちろん、疾患領域がマッチすれば、企業やアカデミアで研究・開発を経験した人でも歓迎される傾向にあります。
※ ※ ※
新型コロナウイルス感染症の選考プロセスへの影響はさほど大きくありませんが、一部の職種では選考に遅れが生じている企業もあります。生活は徐々に戻りつつあるものの、今後の転職市場がどう変わっていくか、予想はまだ難しい状況です。
最近では「今すぐの転職を考えているわけではないけれど、求人動向を知っておきたい」というご相談を受けることも増えてきています。Answers転職サポートでは、求人情報はもちろん、転職市場の最新動向まで幅広く情報提供を行っています。お気軽にご相談ください。問い合わせはこちら。
(コンサルタント 香本牧子)
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