富士フイルム富山化学「アビガン」の増産開始、9月には月間30万人分
富士フイルムは4月15日、子会社の富士フイルム富山化学が新型コロナウイルス感染症向けに抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」(一般名・ファビピラビル)の増産を開始したと発表した。グループ会社の富士フイルム和光純薬で中間体の生産設備を増強するとともに、協力会社などとの連携によって生産能力を拡大。7月には月間約10万人分(3月上旬比約2.5倍)、9月には約30万人分(同約7倍)を生産できるようになるといい、原薬製造設備の増強などを通じてさらなる生産拡大を図る。
武田、東北メディカル・メガバンクと共同研究
武田薬品工業は4月15日、東北大東北メディカル・メガバンクと共同研究契約を結んだと発表した。研究は、▽一般住民の全ゲノムリファレンスパネルの充実と日本人集団に特徴的な遺伝子型の発見▽全ゲノム情報と脳MRI画像を含む健康情報・医療情報の統合的解析による新薬・治療法の研究開発――の2つ。武田は契約に基づき、共同研究で取得される約1万人分の全ゲノム情報に1年間優先的にアクセスする権利を獲得し、それに紐づいた健康情報・医療情報とともに統合的な解析を行う。
協和キリンと米MEI、PI3Kδ阻害薬での提携をグローバルに拡大
協和キリンと米MEIファーマは4月14日、B細胞悪性腫瘍を対象に開発中のホスファチジルイノシトール3-キナーゼデルタ(PI3Kδ)阻害薬「ME-401」のグローバルライセンス契約を結んだと発表した。協和キリンは2018年の契約でMEIから同薬の日本での独占的開発・販売権を取得していたが、今回の契約に伴い提携をグローバルに拡大する。
契約に基づき、両社は米国で情報提供活動を共同で実施。米国での売り上げはMEIが計上し、利益と開発費を含む費用は折半する。米国以外では協和キリンが独占的な販売権を持ち、売り上げに応じたロイヤリティをMEIに支払う。協和キリンは一時金として1億ドル(約107億円)を支払い、マイルストンとして最大5億8250万ドルを支払う可能性がある。
ダイト、原薬工場を増設
ダイトは4月14日、富山市の本社工場敷地内に原薬製造工場を新設すると発表した。海外産原薬の品質問題などによって高まる国内産原薬へのニーズに対応する。新設する「第七原薬棟」は延べ床面積2433平方メートルで、投資額は総額35億円。11月に着工し、来年12月の完成を予定している。