中央社会保険医療協議会(中医協)総会は4月8日、エーザイの不眠症治療薬「デエビゴ錠」やアッヴィの関節リウマチ治療薬「リンヴォック錠」、日本たばこ産業(JT)のアトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム軟膏」など新薬9成分14品目の薬価収載を了承した。4月22日に収載する。
ピーク時売上高 デエビゴ178億円、リンヴォック283億円
エーザイの「デエビゴ錠」(一般名・レンボレキサント)は、オレキシン受容体拮抗作用を持つ不眠症治療薬。薬価は、MSDの「ベルソムラ」を比較薬とする類似薬効比較方式Iで算定され、▽2.5mg1錠57.30円▽5mg1錠90.8円▽10mg1錠136.20円――となった。ピーク時に薬価ベースで178億円の売り上げを見込む。
アッヴィの「リンヴォック錠」(ウパダシチニブ水和物)は、関節リウマチ治療薬としては国内4剤目のJAK阻害薬。薬価は日本イーライリリーの「オルミエント」を比較薬とする類似薬効比較方式Iで算定。7.5mg1錠が2550.90円、15mg1錠が4972.80円となった。ピーク時の売上高予測は283億円。
国内初のアトピー性皮膚炎向けJAK阻害薬となるJTの「コレクチム軟膏」(デルゴシチニブ)は、原価計算方式で算定され、薬価は0.5%1gで139.70円。ピーク時の売上高は50億円と予測している。
ニュベクオやノクサフィルも100億円超を予測
このほか4月22日付で薬価収載されるのは、
▽痛風・高尿酸血症治療薬「ユリス錠」(ドチヌラド)=富士薬品
▽前立腺がん治療薬「ニュベクオ錠」(ダロルタミド)=バイエル薬品
▽抗真菌薬「ノクサフィル錠」「同点滴静注」(ポサコナゾール)=MSD
――など。エーザイの抗てんかん薬「フィコンパ」には細粒が、あすか製薬の「チラーヂンS」には静注液が、それぞれ新たに薬価収載される。
ニュベクオ錠はアンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬で、ピーク時に182億円の売上高を予測。ノクサフィル錠も112億円の売上高を見込んでいる。
新薬創出加算の対象となったのは、フィコンパ細粒とチラーヂンS静注液の2品目。フィコンパ細粒には小児加算(5%)が、チラージンS静注液には有用性加算II(5%)がついた。原価計算方式で薬価算定されたノクサフィル錠は、原価の開示度が50%未満だったとして費用対効果評価の対象となった。
【AnswersNews編集部が製薬企業をレポート】
・エーザイ