製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
前月から軒並み減少
2020年4月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から減少しました。
職種別に見ると、増加したのは「マーケティング」(10%増)と「MR」(6%増)、「生産技術」(6%増)、「開発企画・PM」(4%増)のみ。「CRA」(17%減)や「薬理研究」(15%減)、「PV・PMS」(13%減)をはじめ、多くの職種で求人数が減少しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、製薬各社は在宅勤務や時差出勤、MRによる医療機関の訪問自粛といった対策を先月から続けています。製品については、安定供給を続けるため、感染防止策を講じた上で工場などの生産・製造ラインを稼働。一方で、感染が拡大する海外を中心に臨床試験への影響も出てきており、進行中の試験に対する新たな患者登録を中断する動きも見られます。
採用活動では、受託企業への影響が多少見受けられるものの、現時点では募集はおおむね通常通り。中途採用の面接はオンライン化も進んでおり、外資系企業や大手内資系企業をはじめ、最終面接までウェブで行うところも少なくありません。
[研究職]バイオベンチャー中心に募集は減少も、新規求人複数
研究職では、バイオベンチャーを中心に求人件数が減少しました。採用枠が充足したことの影響が大きく、前月までと比べれば少ないものの新規の求人も出ています。バイオや再生医療等製品でのニーズが高い傾向が続いています。
[開発職]CRO求人が大幅減、「開発企画・PM」は引き続き堅調
17%減となったCRAでは、CROの求人件数が大きく減少しました。受託プロジェクトの終了と新卒入社の時期が重なったことが要因の1つといえそうです。
CRA以外でもほとんどの職種で求人が減少する中、主にメーカーで「開発企画・PM」の求人件数が増加。パイプラインの進捗や新年度の社内異動に合わせた増員募集が中心です。臨床開発の早期段階に関わる募集もいくつか出ています。
[製造職]品質管理・品質保証での採用ニーズは健在
製造職も求人件数は減少しましたが、採用ニーズが低下したわけではなさそうです。メーカーを中心に、品質管理や品質保証で新規の求人が複数出ています。いくつかの企業では、品質管理で分析研究を担当する人材の募集も始まりました。
[MR/マーケティング]MRとマーケティングは求人増
MRは、外資系企業を中心に求人件数が増加しました。欠員募集などのスポット的な求人がほとんどですが、中には複数人(10人程度)を募集する求人も出ています。新型コロナウイルス感染症の影響でMR活動を自粛する動きが続いていますが、メーカーを中心に採用は続く見通しです。
マーケティングは今月唯一の2桁増となりました。外資系メーカーを中心に、数年後の新薬発売を見据えた募集のほか、最近発売した製品の販売拡大のための組織強化を目的とした募集も出ています。
※ ※ ※
新型コロナウイルスの感染拡大で企業活動にも大きな影響が及ぶ中、企業の採用活動が今後どうなっていくのか、見通しづらい状況です。一方で、在宅勤務などで比較的時間に余裕がある今、改めて自身の働き方やキャリアを見つめ直すのもいいかもしれません。Answers転職サポートでは、求人情報の提供はもちろん、これからのキャリアを見据えた幅広い提案を行っています。お気軽にご相談ください。問い合わせはこちら。
(コンサルタント 香本牧子)
あわせて読みたい
オススメの記事
人気記事
【無料】製薬業界専門転職サポート
【無料】製薬業界専門転職サポート
製薬業界専任のコンサルタントが、悩みや不安を元にキャリアについてアドバイスさせていただきます。
まずはお気軽にお申し込みください。