製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月からわずかに増加
2020年3月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月からわずかに増加しました。
職種別に見ると、「薬理研究」(13%増)や「製造技術」(11%増)、「プロセス研究」(10%増)などが増加。一方、「MW(メディカルライティング)」(14%減)や「QC・QA・監査」(9%減)などは減少しました。
新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、製薬各社は在宅勤務や時差出勤、MRによる医療機関の訪問自粛といった対策を発表していますが、採用活動には大きな影響は出ていないよう。募集は通常通り行われています。
中途採用の面接はオンライン化が進んでおり、外資系企業や大手内資系企業は最終面接までウェブで行うところも少なくありません。対面の面接とは少し勝手が違うところもありますが、オンラインで面接を受けられることで時間の都合がつけやすくなったとの声も聞かれます。
[研究職]プロセス研究を中心に増加
プロセス研究を中心に、製薬メーカーとバイオベンチャーの両方で新しい募集が始まりました。前月はいったん落ち着きが見られたものの、採用ニーズは引き続き高いようです。
バイオや再生医療等製品、核酸医薬などさまざまな分野で求人が出ています。企業が新規モダリティの研究を活発化させていることを背景に、専門性の高い人に活躍のチャンスが広がっており、アカデミアからの応募が可能な求人もあります。
[開発職]求人数は減少も、開発企画・PMで新規募集
開発職は全体的に減少となりましたが、大手メーカーやCROで「開発企画・PM」の求人件数が増加しました。募集の中心は経験者で、ビジネスレベルの英語力を必須としているものがほとんど。申請まで開発をリードするポジションでは、疾患領域の経験が歓迎されます。
ほかの職種を見てみると、PV(ファーマコビジランス)の採用ニーズは継続してあり、新規の募集も出ています。一方、CRAや薬事は新規の募集も少なく、採用が落ち着いてきている印象です。
[製造職]品質保証で監査対応ポジションの募集も
製造職は引き続き堅調です。中でも品質保証は、関西エリアを中心に求人が増加。監査対応に携わるポジションの募集が増えてきています。監査の場合、海外で業務にあたるケースもあるので、英語力があるとより有利です。
[MR/MA・MSL]MRは求人減、MA・MSLは引き続きニーズが高め
MRの求人は、14%増となった前月から一転、4月入社に向けた動きが一段落したことで5%の減少となりました。新しく募集が始まった求人もスポット的なものが中心。応募を開始するとすぐに応募が殺到するような求人もあり、転職成功にはタイムリーな情報収集がカギとなります。
一方、MA・MSLは、増加幅こそ小さかったものの、企業の採用意欲は引き続き高水準。求人はパイプラインの動向に左右される面もありますが、継続的な組織強化を目指して募集を行っている企業もあります。
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最近の求人を見ていると、以前にも増して専門性の高い即戦力を求める求人が増えてきている印象です。Answers転職サポートでは、求人情報の提供はもちろん、これまでのキャリアの生かし方も含め、幅広く転職やキャリアに関するご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。問い合わせはこちら。
(コンサルタント 香本牧子)
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