製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月から微増
2020年2月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増加しました。
職種別に見ると、「QC・QA・監査」(30%増)や「学術・DI」(21%増)、「マーケティング」(16%増)、「MR」(14%増)、「管理薬剤師」(11%増)などが増加。一方、「基礎研究」(9%減)や「CRA」(5%減)、「製造技術」(5%減)などは減少しました。
1月以降は、外資系メーカーを中心に、年末に一旦終了した募集を再開した企業が多くなっている印象です。このほか、データサイエンティストをはじめとするIT人材のニーズは職種を問わず堅調。採用枠としては大きくありませんが、求人はコンスタントに出ています。
[MR]メーカー中心に求人増、今後はパイプラインに合わせた募集か
MRの求人件数は前月から大きく増加しました。外資系メーカーで10~30人規模の募集が行われているほか、日系中堅メーカーでも求人が出ています。
求人の傾向を見てみると、メーカーではオンコロジーやバイオ、希少疾患といった専門領域での募集が継続しており、大学病院や基幹病院の経験を求められるものも少なくありません。
一方、CSOでは、領域などの経験を問わず幅広い層を採用する傾向が続いています。営業受託以外のサービスを提供している企業も多く、将来的な別職種へのキャリアチェンジを見据えてメーカーからCSOに移る人もいるようです。
重点領域の強化を目的に増員募集が行われていた昨年の動きも落ち着いてきており、今後は新薬の発売や適応拡大に合わせた募集が中心となる見通し。応募のタイミングを逃さないよう、こまめな情報収集がポイントになりそうです。
[研究職]求人件数は減少も、引き続きバイオベンチャーなどで募集
ここ2カ月ほど増加傾向にあった基礎研究では、求人件数が減少しました。募集を終えた求人がいくつかあったのが要因ですが、引き続きバイオベンチャーや試薬メーカーを中心に新規の求人も出ています。
[開発職]CRAは採用が一段落、PV・PMSは専門職の求人増
開発職は全体的に増加しました。唯一減少となったCRAも、採用は落ち着いてきたとはいえ、CROを中心に継続的に求人が出ています。
求人件数が増えたのはPV(ファーマコビジランス)。海外展開やパイプラインの進捗に伴い、募集が増えています。「リスク管理」や「規制当局との対応」など、ポジションは業務ごとに細分化されてきている印象です。
PVの採用では、読み書きレベルの英語力に加えてメーカーでの経験が重視されます。経験者の少なかった数年前と比べると、CROからメーカーへの転職は難しくなってきていると言えるでしょう。
[製造職]引き続き採用ニーズは高め
今月は新薬メーカーを中心に新規の募集がいくつか始まりました。品質管理や品質保証は求人件数こそ増加していませんが、継続的に新規の求人が出ており、企業側の採用意欲は高い状況が続いています。
8%増となった製造では、スタッフクラスから管理職クラスまで幅広く求人が出ています。扱う製剤は引き続きバイオのニーズが高いほか、中小企業を中心に固形剤での募集があります。
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(コンサルタント 香本牧子)
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