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海外レポート

音声アシスタントが変える 医師と患者の処方薬情報収集|DRG海外レポート

米国に本社を置くコンサルティング企業Decision Resources Groupのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。アップルのSiriやアマゾンのAlexaに代表される音声アシスタントの登場により、処方薬をはじめとする医療関連情報の検索が変わりつつあるといいます。製薬企業にはどんな影響があるのでしょうか。

 

(この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。本記事の内容および解釈については英語の原文が優先します。正確な内容については原文を参照してください。原文はこちら

 

米国成人の7人に1人が処方薬情報を音声検索

米国の成人の7人に1人がSiriやAlexaといった音声アシスタントに処方薬の情報を尋ねていることは、患者を対象にわれわれが行った調査でわかった意外な事実の1つだ。

 

自宅のリビングやジーンズのポケット、シャツから覗く手首の周りなど、いまや音声アシスタントがどこにでもあることを考えると、特段驚くことではないのかもしれない。しかしこれは(医療に限ったことではないが)、私たちがオンラインで情報を探す方法が大きく変化していることを示している。

 

こうした状況は、ライフサイエンス企業にとってどんな意味があるのだろうか?

 

woman using voice recorder on smartphone

 

医療に関連する音声検索は、受診を間近にしたときに増え始め、治療が迫るとピークに達する。患者が治療の行程を進む中で特に多く検索する言葉は、特定のウェブサイト名、症状、疾患名だ。具体的なブランド名で治療薬の情報を音声検索する患者は13%で、同じく13%がジェネリック薬や製薬会社に音声経由でアクセスしている。

 

副作用情報の入手や服薬のリマインドに期待

製薬会社や医療テクノロジー企業が提供する音声アプリは、患者のニーズを満たせば利用を見込める。米国の患者の5人に1人は、製薬会社の音声技術やアプリケーションを使うだろうと言っている。患者の側では、▽診察の予定をチェックできる▽副作用情報や疾患情報が手に入る▽処方箋の再調剤ができる▽服薬をリマインドしてくれる――といった機能に対する期待が高い。

 

検索の市場は、新規参入によって細分化している。検索エンジンではグーグルが20年あまりに渡って他を圧倒しているのに対し、音声アシスタントの領域は混沌としている。グーグルアシスタント(米国成人の18%が使用)、Siri(17%)、Alexa(16%)がトップ集団を形成し、マイクロソフトのコルタナ(11%)とサムスンのBixby(9%)がやや後れて追随する構図となっている。

 

Medicine - Side Effects - Drugs

 

医師は用法・用量の確認などに活用

患者だけでなく、医師も処方薬の情報収集に音声検索を使っている。米国の医師の47%が音声検索を使っており、7%は日常的に使用。使用している人の17%はブランド名で処方薬を検索しているという。米国の医師の54%は患者に音声アプリを勧めたことがある、あるいは勧める可能性があり。医師自らの使用法として最も関心が高いのは、用法・用量のチェック、最新の医学ニュースの読み上げ、患者教育資材の注文だった。

 

一方で、音声アプリのデータの機密性には大きな懸念がつきまとう。米国の医師の63%は、音声検索の臨床での使用についてセキュリティを心配しており、文字起こしや翻訳の誤りも懸念している。医師がメモをとったり、HER(電子診療記録)を入力したりする際、音声テクノロジーは大きな助けになるかもしれない。実際、グーグルやマイクロソフト、アマゾンといったテクノロジー大手を含む多くの企業が、HER向けの音声サービスを開発中だ。ただし、患者の側もやはり不安を抱いており、医療関連で音声アシスタントを使っている患者の18%は、プライバシー上の懸念から使用に乗り気ではないと答えている。

 

プライバシーの欠点が解消されれば、音声アシスタントは高齢者や慢性疾患患者の支えとなり、アドヒアランスの向上や受診時の利便性向上などに役立つと考えられる。

 

検索

 

音声検索への最適化が必須

メルクが支援するStaywell Voiceなど、医療用音声アプリはすでに数多く販売されており、医療に特化した音声アシスタントも少なくとも1つが市場に出ている。企業は当面、この領域から目を離さず、音声検索に向けて自社のデジタル資産を最適化できるよう、パートナー企業と話し合っておくべきだろう。

 

目指すのは、患者が治療薬について信頼できる情報に確実にたどり着くことだ。その際、利用者が期待するのはより口語的な表現であり、検索は疑問形で行われるといった、音声検索の特徴を考慮しなければならない。企業は、患者がネット上でどんな言葉を使っているのか把握することが重要だ。音声アプリや音声技術を介して患者と医師に付加価値をもたらす機会に目を光らせておくべきだろう。

 

音声検索はまだ広がり始めたばかりといったところだが、患者と医師の期待の大きさは、今回紹介した利用状況が示している通りだ。

 

(原文公開日:2019年12月18日)

 

この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。

 

【記事に関する問い合わせ先】
ディシジョン・リソーシズ・グループ日本支店
齋藤(コマーシャルエクセレンス ディレクター)
E-mail:ssaito@teamdrg.com
Tel:03-6625-5257(代表)

 

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