ライフサイエンス企業のM&A、19年は総額39兆円で過去最高に
2019年のライフサイエンス企業によるM&A取引額は3570億ドル(19年11月30日時点、約38兆9130億円)に達し、過去最高を更新したことが、英大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤングのまとめでわかった。M&Aの件数は前年から14%減ったが、製薬業界で相次いだ大型買収が取引額を押し上げた。同社は、特定の疾患領域に集中する製薬企業の戦略がM&Aを活発化させているとし、20年も遺伝子治療・細胞治療やがん免疫療法の分野でM&Aが続くとみている。
中外 研究協力めぐるロイヤリティ支払い、英研究機関と和解
中外製薬は1月28日、研究協力契約に基づくロイヤリティの支払いをめぐって英国の研究機関から受けた仲裁申し立てについて、研究機関側と和解に正式合意したと発表した。研究機関側は、抗IL-6受容体抗体「アクテムラ」の開発で結んだ研究協力契約に関して契約義務違反があるとし、ロイヤリティの支払いを要求。中外はこうした主張は無効だと反論してきたが、「総合的に勘案した結果、和解による解決が最善と判断した」という。中外は合意に基づき和解金として一時金を支払う。和解金額や和解内容は非開示。
KMバイオと日本血液製剤機構、血液製剤2製品で販売提携
KMバイオロジクスは1月27日、同社が製造販売する「献血グロブリン『KMB』」(一般名・乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン)について、日本血液製剤機構(JB)と販売提携を結んだと発表した。同剤は現在、アルフレッサファーマが販売しているが、4月1日以降はJBが流通と販売、情報提供・収集活動を行う。
両者はまた、KMバイオが製造販売する「バイクロット」(乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第Ⅶ因子)のコ・プロモーションでも提携。契約に基づき、4月1日から同剤の情報提供・収集活動を共同で行う。