製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月から微増
2020年1月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増加しました。
職種別に見ると、「マーケティング」(14%増)や「QC・QA・監査」(13%増)、「プロセス研究」(11%増)などが増加。一方、「MA・MSL」(10%減)や「メディカルライティング」(5%減)などは減少しました。
[研究職]引き続きバイオベンチャーの採用意欲が高め
基礎研究やプロセス研究を中心に、バイオベンチャーで採用意欲の高い状態が続いています。高分子医薬品のほか、再生医療等製品でも新たな募集が見られます。
メーカーではここ数カ月、バイオインフォマティクスの分野で採用の動きが活発。技術レベルとしては幅広い層がターゲットとなっており、チャンスは広いと言えそうです。
[開発職]開発企画・PMの求人増 バイオベンチャーでも今後増える見込み
開発職の求人件数は前月からほぼ横ばい。メーカーでは、開発企画・PMや薬事の募集が増加。前月に引き続き、CROでのCRA求人も出ています。
現在の開発職の求人はメーカーやCROが中心ですが、今後はバイオベンチャーでも開発企画に関連した職種の募集が増えるかもしれません。バイオベンチャーでは、開発品のフェーズに合わせてプロジェクトマネジメントからモニタリングまでこなすようなケースもあるので、ジェネラリストを歓迎する企業も少なくなさそうです。
[製造職]品質管理・品質保証のニーズが高水準、今後も求人は豊富
製造職の採用ニーズは引き続き堅調。特に品質保証・品質管理の求人は製薬メーカーと受託企業の両方で採用意欲が高く、化学メーカーでも新しい求人が増えています。
原薬をめぐる問題が大きく取り上げられる中、医薬品の品質への要求も高まってきており、今後もニーズの高い状態が続く見込み。バイオ製剤を扱う募集も引き続き出てくると見られます。
[MR/MA・MSL]MRはCSOが活況、MA・MSLは求人減
MRでは春ごろの入社に向けた求人が出ています。早期退職などをきっかけにメーカーの採用が落ち着いてきた中、CSOを通じて人員補充する動きが活発化。スペシャリティ領域の求人が増えてきたことで、選考のハードルもやや上がっています。
2020年のMRの転職市場は、メーカーではスポット的な求人が多くなる見込み。こうした求人は募集開始から入社までの期間が短く、転職を考えるなら的確な情報収集とタイムリーな応募がさらに重要となります。
一方、MA・MSLの求人件数は減少。採用枠を満たして募集を終えた企業があったほか、外資系企業が新年度を迎えるタイミングとなったことも影響していそうです。新規募集のタイミングがパイプラインの進捗に左右される傾向は今後も大きく変わらない見通しです。
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転職希望者の動きを見ていると、「今すぐ転職したいと考えているわけではないけど、転職市場の状況は常に把握しておきたい」という人が増えてきている印象です。Answers転職サポートでは、求人情報だけでなく、目まぐるしく変わる転職市場の動向まで、幅広く情報提供を行っています。問い合わせはこちら。
(コンサルタント 香本牧子)
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