製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月から増加
2019年12月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増加しました。
職種別に見ると、「前臨床研究」「ライセンシング・事業開発」(18%増)や「プロセス研究」(17%増)などが増加しました。一方、「QC・QA・監査」(17%減)や「MR」(11%減)などは減少しています。
[研究職]バイオベンチャーの採用意欲が高水準
今月はバイオベンチャーを中心に研究職の求人件数が増加しました。基礎研究から前臨床研究まで幅広く、扱う分野も核酸医薬や遺伝子治療などさまざま。研究の進捗に伴う増員募集が中心ですが、中には大手メーカーとの共同研究決定を背景に募集を始めた企業もあります。
求人動向は今後もしばらく現在のような傾向が続く見通し。一方、転職者側では、政府が若手研究者への支援策を打ち出したことで、アカデミアに在籍している人を中心に動きが変わってくるかもしれません。
[開発職]久々にCRA求人増、メーカー・CROともに新規求人複数
開発職では、久しぶりに新しいCRAの求人が出てきました。
メーカーはCRAを募集する企業としない企業とで二極化しています。今回、募集を始めた企業も、過去2年ほどの間に募集したことがある外資系メーカーや日系中堅メーカーがほとんど。CRAを募集しない企業では、開発企画やプロジェクトマネジャーなどを中心に採用を行っています。
CROは大手を中心に採用を積極化。待遇アップや会社の安定感、ワークライフバランスを求めて転職する人が増えています。未経験者の募集はほとんどありません。
[製造職]製造技術の求人が増加、バイオベンチャーでの募集も
製造職では引き続き採用ニーズは堅調。新しい求人では、関西勤務の募集が目立ちます。
ややエリアに偏りはありますが、品質管理や製剤研究は未経験でもバイオ製剤を扱える募集も引き続き出ています。品質保証は、大手企業を中心に役割ごとに組織を細分化する傾向にあります。どの職種も選択肢が豊富といえる状況なので、経験の幅を広げたい人は求人を見てみるといいでしょう。
[MR]求人件数は減少も、採用活動自体は引き続き活況
MRは前月の13%増から一転、12月は件数が大幅に減少しました。といっても、採用活動自体が低調になったわけではなく、応募期間が終了したため求人件数が落ち着いたのが実態。募集を継続している求人も一定数あるほか、年明け以降は4月入社に向けた求人が出てくることも見込まれます。引き続き、情報収集がポイントになりそうです。
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2019年も製薬業界では早期退職が相次ぎました。キャリアを見つめる機会が増えたのか、転職活動を始める前の早い段階で相談に来る方も増えたように感じます。Answer転職サポートでは、求人情報から転職市場の動向まで幅広く情報を提供しています。キャリアにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。問い合わせはこちら。
今年の転職市場トレンドは今回が最後。1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。少し早いですが、みなさま良いお年を。
(コンサルタント 香本牧子)
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