製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
求人件数は全体的に減少、採用充足で求人は減るもニーズは高水準で推移
2019年8月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から減りました。
職種別に見てみると、「前臨床研究」(8%増)や「PV・PMS」(6%増)などが増加しました。一方、「MR」(11%減)や「基礎研究」(9%減)などが減少しています。
研究職はバイオベンチャーを中心に求人が増加。特に基礎研究以降の研究フェーズでニーズが高く、テクニシャン向けからリーダークラス向けまで幅広く求人が出ています。
開発職や製造職では、募集を終えた求人が複数あった影響で求人件数は減りました。開発職ではPV・PMSを筆頭にメーカー募集が新しく始まったり、製造職は引き続き求人件数そのものが多い状況が続いていたりなどと、採用意欲の高さは引き続き高水準です。
[今月の注目職種:MR]「情報収集」と「タイムリーな応募」がより重要に
MRの求人件数は前月に比べて減少しました。今年上半期は、数十名規模の採用を行っていた企業もいくつかありましたが、募集を終えたところも多く、現在は採用枠の小さい求人が中心です。
募集中の求人は、希少疾患からプライマリーまで疾患領域はさまざま。昨年は「オンコロジー」「バイオ」の経験者を求める求人が多かったですが、今はそうした傾向は弱まっていると言えます。
MRの転職市場は従来に比べて読みづらくなっています。MRの採用は、新薬の発売や適応拡大に合わせて動く傾向にありましたが、最近では必ずしもこうした傾向に当てはまらないケースが見られるようになってきました。パイプラインが動いても大きな募集をしない企業も増えていますし、逆に組織構成の観点からパイプラインに関係なく募集を行う企業もちらほら見受けられます。
転職市場が読みづらくなっているもう1つの理由は、リファラル採用(社員の紹介・推薦による採用)が増加傾向にあることです。現在、新規領域への参入に向けて比較的大規模なMRの採用を行っている企業もあるにはありますが、リファラル採用に力を入れており、求人がなかなか外に出てこないというケースも見られます。
MRの転職を成功させるには「情報収集」と「タイムリーな応募」がポイントになりますが、その重要性は増してきていると言えます。
今年4月には「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」が施行され、MR活動に対する縛りがきつくなりました。ガイドラインをきっかけに、「MRとしての介在価値を感じられなくなった」「MRの将来が不安になった」とキャリアチェンジも視野に入れて転職の相談に来る方も増えています。
Answers転職サポートでは、求人情報の提供はもちろん、仕事のやりがいや現職に対する不満、今後のライフプランを踏まえたキャリアのご提案も行っています。漠然と不安を感じているものの、何から始めたらいいのかわからない、という方もお気軽にご相談ください。問い合わせはこちら。
(コンサルタント 小西健太)
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