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BREXITの現状と今後の展望|DRG海外レポート

米国に本社を置くコンサルティング企業Decision Resources Groupのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。今回取り上げるのは、Brexit。現状と今後の展望を整理しました。

 

(この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。本記事の内容および解釈については英語の原文が優先します。正確な内容については原文を参照してください。原文はこちら

 

10月末まで離脱期限を「柔軟に」延期

2017年3月29日、英国はリスボン条約50条を発動し、欧州連合(EU)からの離脱に向けた2年間のプロセス、通称Brexitに踏み出した。英国政府とEUは2018年11月に離脱合意の協定を結んだが、離脱の具体的な取り決めをめぐっては、英下院の過半数の支持を得られない状況が続いている。

 

離脱協定への支持が得られない中、英国議会下院では2019年3月14日、同29日に設定された離脱期限の延期を求める投票に半数を超える議員が賛同した。延期にはEUの27加盟国すべての承認が必要だが、「合意なき離脱」を避けるには引き延ばしが不可欠だった。

 

Flags of the United Kingdom and the European Union. UK Flag and EU Flag. British Union Jack flag

 

3月22日、EUは英国に対し、条件付きで離脱期限の延期を許諾した。3月29日までに議会が離脱協定を承認すれば、Brexitを5月22日まで延期するという内容で、関連法案の通過を見込み、欧州議会選挙が始まる1日前に期限を設定。一方、3月29日までに下院が離脱協定を承認しなかった場合は、4月12日が期限とされた。それまでに英国は離脱計画をEUに示さなければならず、あわせて5月23~26日に予定される欧州議会選挙への参加/不参加も示す、という条件だった。

 

その3月29日、離脱協定は3度、下院で否決され、Brexitの期限は4月12日になった。当日の「合意なき離脱」――そうなれば投げ出すも同然――を食い止めるため、英国は4月10日のEUサミットまでに今後の計画をEUに示すよう求められた。英下院は4月8日、メイ首相に対し、さらなる離脱延期に努めるとともに、「合意なき離脱」を回避するよう求める法案を可決した。

 

4月10日、EUと英国は今年10月31日まで離脱期限を「柔軟に」延期することで合意。英国は、下院が離脱協定を承認すれば、10月31日までの任意の時点でEUから離脱することが可能になった。ただ、5月23日の欧州議会選挙が始まる前に離脱できない場合、選挙には参加せざるを得ない。

 

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この選挙に不参加となれば、英国は、取り決めがないまま6月1日のEU離脱を余儀なくされるだろう。一方で、参加すれば、EUとの全面的な再交渉、国民投票の再実施、総選挙、リスボン条約50条の撤回、そして10月31日の「合意なき離脱」の実行など、あらゆる選択肢を再検討することができることになる。

 

開発投資の縮小が懸念される

英国とEUはすでに、21カ月間の移行期間(すなわち導入期間)を設けることで合意している。市民や企業、そして政府機関がBrexit後に備えるための期間をとり、混乱を最小限にするためだ。

 

移行期間中、英国を本拠とする製造販売承認取得者は、引き続きEU市場にアクセスすることが可能で、製造販売許可も検査業務も両地域で相互に承認される状態は続く。英国の会社が製造販売承認の申請を行えることも変わらない。

 

Brexitによる影響の全体像は最終的な離脱協定の細目によるが、医療技術関連市場における今後の展開をいくつか予測することは可能だ。

 

実験

 

例えば、英国はこれまで、欧州研究会議の助成金の大部分を受け取る側だった。EU非加盟で当会議の助成金を受けている国もあるが、英国の割り当ては縮小されるかもしれない。ほかの連携や研究への投資も同じことになるだろう。

 

さらに、欧州経済地域への残留や欧州自由貿易協定への加入を交渉すれば、EUとの通商的つながりをある程度維持できる可能性はあるが、それについてもまだはっきりしない。

 

「合意なき離脱」になった場合、英国はもはやEU規制ネットワークの一員ではなく、独自の対応で国内の規制を管理しなければならなくなる。EUと英国の両方で承認を申請する企業は、こうしたプロセスに別々に対応しなければならなくなる。

 

とは言え、英国もEUもこのような帰結にはかなりの抵抗を示しており、「合意なき離脱」の可能性は低そうだ。実際、今年3月13日には、英国議会下院が「合意なき離脱」排除の決議を採択した。法的拘束力はないが、「合意なき離脱」への反対が一般的であることを示している。

 

状況は非常に曖昧であることは変わらず、Brexitの影響を推測するのは時期尚早だろう。

 

(原文掲載日:2019年4月30日)

 

この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。

 

【記事に関する問い合わせ先】
ディシジョン・リソーシズ・グループ日本支店
斎藤(カスタマー・エクスペリエンス・マネージャー)
E-mail:ssaito@teamdrg.com
Tel:03-5401-2615(代表)

 

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