製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
求人件数は全体的に大きく増加、研究職・開発職の採用が活発
2019年2月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増えました。
職種別に見てみると、「製造」(38%増)や「前臨床研究」(36%増)が大幅に増加。一方で、「MR」(14%減)や「学術・DI」(4%減)が減少しました。
1月に引き続き、研究職の採用が活発です。特に、バイオベンチャーを中心に前臨床研究の募集が増えています。仕事の内容は、動物実験から当局対応・申請関連業務まで、企業によってさまざまです。
開発職の求人件数も高水準で推移。1月から新年度に入った外資系企業で新たな募集が始まったのが主な要因です。特にスタディーマネージャークラスのCRAに対するニーズが高くなっています。
[今月の注目トピック:オープンイノベーション]共同研究・産学連携経験者はもちろん、薬理研究経験者も歓迎される傾向
会社の枠を超えて外部の技術やアイデアを取り込む「オープンイノベーション」。創薬ターゲットが枯渇していることや、新薬開発が難しくなっていることを背景に、製薬業界でも取り組みが加速しており、大手企業を中心に専門部署を新設・強化する動きが出てきています。
中でも採用意欲が高いのは外資系メーカー。専門部署の新設も含め、複数の企業が求人を出しています。10年ほど前、相次いで日本国内の研究拠点を閉鎖した外資系製薬企業ですが、この間、日本の生命科学研究も大きく進歩。日本の研究機関との関係強化が重要視されるようになり、各社が専門部署の新設・強化に動いています。
オープンイノベーション担当の主な仕事は、▽アカデミアや他企業、政府、KOL(キーオピニオンリーダー)とのネットワーク構築▽シーズの探索▽共同研究や提携先の探索――など。いずれも高いサイエンスレベルが求められる仕事です。
採用では、共同研究や産学連携、アライアンスといった業務の経験者はもちろん、外部シーズの評価に携わるため薬理研究の経験者も歓迎される傾向にあります。また、研究開発の全体像を把握していることもアドバンテージになるので、例えば研究開発のプロジェクトリーダーを経験したことがある人にも採用のチャンスがあります。
現在は専門部署の立ち上げ段階にある企業が大半なので、求人はマネージャークラスのものが中心。取り組みが軌道に乗れば、スタッフクラスのニーズも出てくるでしょう。
事業戦略の根幹に関わるため、オープンイノベーション担当の募集は大々的に行われることはあまりなく、ほとんどの求人は非公開。Answer転職サポートでは、非公開求人も含めてオープンイノベーション関連の求人を複数取り扱っています。「興味があるのでひとまず情報収集から」という方もお気軽にご相談ください。問い合わせはこちら
(コンサルタント 香本牧子)
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