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ニュース解説

【2019年8月版】製薬大手 抗がん剤パイプライン(2)メルク・サノフィ・GSK・J&J

市場拡大が著しく、開発競争も熾烈ながん領域。製薬大手の後期開発パイプラインをまとめました(全5記事。この記事は半年をめどに更新していく予定です)。

 

パイプラインは調査時点で各社がホームページで公表していた情報に基づく。いつ時点の情報かは会社によって異なるため、承認・申請など直近のイベントが反映されていない場合もある。

 

米メルク

【米メルク】がん領域の後期開発パイプライン

 

免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名・キイトルーダ)は、乳がんや大腸がんなど11のがん種で臨床第3相(P3)試験を実施中。うち、前立腺がんや皮膚扁平上皮がんで新たにP3試験を始めました。

 

エーザイとの提携で開発を進めるマルチキナーゼ阻害薬レンバチニブ(レンビマ)は、子宮内膜がんに対するキイトルーダとの併用療法などでP3試験段階。アストラゼネカと提携するPARP阻害薬オラパリブ(リムパーザ)は、膵がん、前立腺がん、非小細胞肺がんでP3試験を実施中です。

 

新規の化合物では、CCR5受容体拮抗薬MK-7690が大腸がんを対象にキイトルーダとの併用でP2試験、MEK1/2阻害薬selumetinib(開発コード・MK-5618)が小児神経線維腫症1型でピボタル試験を行っています。

 

2018年2月には、オーストラリアのViralyticsを買収し、腫瘍溶解性ウイルスcoxsackievirus(Cavatak)を獲得。悪性黒色腫を対象にP2試験を進めています。19年7月の米Peloton Therapeutics買収で獲得した低酸素誘導因子(HIF)-2α阻害薬MK-6482は、腎細胞がんで後期開発段階に入っています。

 

仏サノフィ

【仏サノフィ】がん領域の後期開発パイプライン

 

現在、抗CD38抗体isatuximabと、抗PD-1抗体cemiplimab(Libtayo)の2品目が開発後期段階にあります。

 

isatuximabは多発性骨髄腫を中心に開発を進めており、19年上半期中に再発・難治性患者に対する併用療法で米国と欧州で申請しました。P2試験段階には、cemiplimabなど免疫チェックポイント阻害薬との併用療法が控えています。日本でも多発性骨髄腫でP3試験を実施中です。

 

cemiplimabは18年9月に米国で、19年7月に欧州で皮膚扁平上皮がんの適応で承認されました。非小細胞肺がんや子宮頸がんなどでP3試験を行っています。

 

英グラクソ・スミスクライン

【英グラクソ・スミスクライン】がん領域の後期開発パイプライン

 

グラクソ・スミスクラインは2015年、スイス・ノバルティスとの事業交換でがん領域の製品群を譲渡したものの、19年1月に約5500億円で米テサロを買収。PARP阻害薬niraparib(Zejula)や抗PD-1抗体のdostarlimab(TSR042)などを獲得し、この領域に本格的に再参入しました。niraparibは卵巣がんの適応で申請中です。

 

BCMAを標的とするADC(抗体薬物複合体)のbelantamab mafodotin(GSK2857916)は、多発性骨髄腫を対象にピボタル試験が進行中です。抗ICOS抗体GSK3359609や抗TIM-3抗体TSR022などもP2試験を行っており、がん免疫療法を中心に開発を進めています。

 

19年2月には、独メルクと新たながん免疫療法薬bintrafusp alfa(M7824)の共同開発・商品化で提携。同薬はPD-L1とTGFβを同時に阻害する融合タンパク質で、胆道がんでピボタル試験を行っています。

 

米ジョンソン&ジョンソン

【米ジョンソン・エンド・ジョンソン】がん領域の後期開発パイプライン

 

アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬アパルタミド(アーリーダ)は、18年に米国で、19年に欧州と日本で去勢抵抗性前立腺がんの適応で承認を取得。適応拡大に向け欧米で申請が行われているほか、CYP17阻害薬アビラテロン(ザイティガ)との併用療法でもP3試験を実施中です。

 

多発性骨髄腫治療薬の抗CD38抗体ダラツムマブ(ダラザレックス)は、造血幹細胞移植への適応がある患者に対するフロントライン治療などで申請中。多剤併用療法を中心にP3試験を進めています。米アッヴィ傘下のファーマサイクリックスと共同開発するBTK阻害薬イブルチニブ(イムブルビカ)は、慢性リンパ性白血病やマントル細胞リンパ腫でも開発が最終段階。日本ではB細胞リンパ腫を対象とするP2/3試験が進行中です。

 

FGFRI阻害薬erdafitinib(Balversa)は尿路上皮がんを対象に米国で今年4月に承認されており、欧州と日本でP3試験を行っています。中国のLegend Biotechから導入した抗BCMA CAR-T細胞療法は、多発性骨髄腫でP2試験を開始しました。

 

(亀田真由)

 

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