製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
求人件数は全体的に減少、募集枠の充足で採用も一段落か
2018年9月の製薬業界の求人件数は、全体として前月より大きく減少しました。
職種別に見てみると、「プロセス研究」(7%増)や「MW(メディカルライティング)」「管理薬剤師」(4%増)が増加。一方で、「薬理研究」(19%減)や「マーケティング」(10%減)が大きく減少しました。
今月、新規求人の数が多かったのは開発系の職種。複数の製薬メーカーで、開発企画やプロジェクトマネジメント、DM/統計解析の募集が始まりました。
MRも、オンコロジーやバイオの領域を中心に、スポット的にニーズが出ています。ただし、こうした求人には募集開始直後から応募が殺到する傾向にあり、高い倍率の中での選考になると予想されます。
[今月の注目トピック:バイオベンチャー]情報収集とマッチングが転職成功のカギに
生命科学の発展やモダリティ(治療技術)の多様化を背景に、じわじわと存在感を増しているバイオベンチャー。事業の立ち上げや組織の拡大に向けて採用を行う企業が増えています。
バイオベンチャーには大きく分けて、医薬品などの研究開発を行う「創薬型」、創薬技術の提供を行う「創薬支援型」、ビックデータやアプリなど情報技術を活用したサービスを提供する「ヘルステック型」の3つのタイプがあります。中でも企業数が多いのは創薬型ベンチャー。特に再生医療の研究開発に取り組む企業が多く、こうしたところでは求人も多く出ています。
バイオベンチャーの求人は研究職が中心。テクニシャンからリーダークラスの研究者まで幅広いニーズがあります。
研究の進展に伴い、CMC担当や開発職を募集している企業もあります。ポジションとしては責任者クラスの求人が多く、スタッフとしてCRAや品質管理を募集するケースは稀。研究職と開発職のほかに募集が出やすいのは、知的財産・特許関連の職種です。
研究職の場合、企業が求めるスキルや知識があれば、メーカー出身かアカデミア出身かを問わず応募が可能。モダリティの多様化を受けて、再生・細胞医療から遺伝子治療に取り組むバイオベンチャーも増えており、遺伝子工学のバックグラウンドがあると有利になる傾向があります。開発職の場合は、アウトソーシング先の選定・管理から当局対応までこなすことになるため、メーカーやバイオベンチャーでの実務経験が求められます。
国もバイオベンチャーの支援に本腰を入れており、転職する人も年々増えています。バイオベンチャーには「先端技術に携われる」「やりたい研究ができる」「広い裁量権をもって働ける」といった魅力がある一方、メーカーに比べるとリスクが高いのも事実。転職先を決める際は、その企業が持っている技術やパイプラインに加え、資金面(どういったところが資金を出しているかも含め)にも目を向ける必要があります。
また、バイオベンチャーへの転職では、メーカー以上に企業とのマッチングが重要です。選考では「ベンチャー組織に合うかどうか」を見られますし、転職希望者側からすると、特に経営者と合うかどうかが働く上で案外大切なポイントになったりもします。
Answers転職サポートではバイオベンチャーの求人を多数取り扱っています。まずは情報収集から、という方もお気軽にご相談ください。問い合わせはこちら
(コンサルタント 香本牧子)
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