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【ASCO2018】膀胱がん、免疫療法以外で注目される新薬は|DRG海外レポート

米国に本社を置くコンサルティング企業Decision resources Groupのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。今回取り上げるのは膀胱がん。免疫チェックポイント以外にも画期的な新薬の開発が進んでいます。

 

(この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。本記事の内容および解釈については英語の原文が優先します。正確な内容については原文を参照してください。原文はこちら

 

エルダフィチニブとエンフォルツマブ ベドチン

テセントリク、オプジーボ、キイトルーダ、イミフィンジ、そしてバベンチオ。5つの免疫チェックポイント阻害薬がかつてない速さで市場に参入してきたことで、前治療歴のある切除不能な局所進行性または転移性の膀胱がんに新たな治療選択肢がもたらされ、治療アルゴリズムは一変した。

 

とはいえ、すべての患者が免疫チェックポイント阻害薬の恩恵を受けられるわけではない。今なお残るアンメットニーズに応えられるものとして、どんな新薬が開発されているのだろうか。

 

免疫チェックポイント阻害薬をめぐっては、昨年、いくつか暗いニュースがあり、膀胱がんの領域にも影を落とした。しかし、新たな作用機序を持つ革新的な新薬の開発も進んでおり、最新の臨床試験結果がASCO2018で発表された。

 

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・erdafitinib…FEFR(線維芽細胞増殖因子受容体)阻害薬

FGFR遺伝子変異陽性の化学療法抵抗性の転移性膀胱がんで、ロバストな奏効率を示し、忍容性も示された。

 

臨床第2相(P2)試験BLC2001では、ORR(全奏効率)が40%、病勢コントロール率が80%。さらに、FGFR遺伝子変異陽性で、過去に免疫療法に反応しなかった患者を対象とした探索的解析では、ORRは59%だった。

 

FGFR遺伝子変異は、低グレードの筋層非浸潤性腫瘍で発現率が高く、転移性がん患者の15~20%にみられる。FGFR遺伝子変異と、その下流のRAS-MAPK経路は、膀胱がんの発症に関連するとされている。

 

ヤンセンが行っているerdafitinibのP3試験THORは、FGFR遺伝子変異があり、過去に全身療法を1回受けたことがある進行尿路上皮がんが対象。OS(全生存期間)をドセタキセル、vinflumine、キイトルーダと比較する。この試験の結果がポジティブなら、erdafitinibはFGFR遺伝子変異のある患者にとっては優先的な治療選択肢となるし、FGFRがバイオマーカーとして臨床現場で使われることになる。

 

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•enfortumab vedotin…ネクチン4を標的とする抗体薬物複合体

化学療法または免疫療法による前治療を受けた転移性膀胱がん患者を対象としたP1試験EV-101のORRは41%で、忍容性も良好だった。

 

アステラス製薬とシアトルジェネティクスは最近、enfortumab vedotinのP3試験EV-301を開始した。前治療歴のある局所進行性または転移性の尿路上皮がんの患者を対象に、enfortumab vedotinと化学療法を比較している。この試験の結果次第では、enfortumab vedotinはいずれ、2次治療以降でよく使われる標準的な化学療法剤(ドセタキセル、パクリタキセル、vinflunine)にとってかわるかもしれない。

 

いずれもブレークスルーセラピーに指定

これらのデータはいずれも初期段階の臨床試験のものだ。より規模の大きい試験での検証が必要だが、とはいえ今のところは素晴らしい結果が出ている。

 

2剤とも米FDA(食品医薬品局)からブレークスルーセラピー(画期的治療薬)の指定を受けているが、果たして転移性膀胱がんの新たな標準治療となるのか。この点が注目される。

 

(原文公開日:2018年6月15日)

 

【AnswersNews編集長の目】

尿路上皮がんに対する免疫チェックポイント阻害薬以外での新たな選択肢として注目されるヤンセンのerdafitinibは、腫瘍細胞の分化や増殖、血管新生などに関与するとされるFGFRを阻害する分子標的薬。

 

P2試験BLC2001では、主要評価項目のORRが40%(完全奏効3%、部分奏効37%)、副次的評価項目のOSは13.8カ月を示しました。主な有害事象は、高リン酸血症、口内炎、下痢など。投与中止となった患者が全体の10%いましたが、いずれも病勢の進行が理由でした。ASCOで試験結果を発表したテキサス大MDアンダーソンがんセンターのArlene O. Siefker-Radtke氏は「経口剤という利便性を備え、40%の奏効率を示す新たな治療法は、アンメットニーズを満たす」とコメントしました。

 

一方、アステラス製薬のenfortumab vedotinは、米シアトルジェネティクスとの共同開発品。ASCOで発表されたP1試験EV-101の最新結果では、ORRが41%(被験者112人のうち完全奏効4人、部分奏効41人)で、OSの暫定中央値は13.6カ月。主な有害事象は疲労、貧血、低ナトリウム血症、尿路感染症、高血糖症などでした。

 

アステラスは免疫チェックポイント阻害薬による前治療歴のある患者を対象としたP3試験EV-301について、今年後半に患者の組入を開始。2019~20年度の申請を目指しており、ピーク時には500~1000億円規模の売り上げを期待しています。

 

この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。

 

【記事に関する問い合わせ先】
ディシジョン・リソーシズ・グループ(担当:斎藤)
E-mail:ssaito@teamdrg.com
Tell:03-5401-2615

 

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