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ニュース解説

MR不要論に「待った」問われる資質 向上策は?

MR認定センターが、MRの資質向上策を盛り込んだ内部検討委員会の報告書を公表しました。医療を取り巻く環境が大きく変わり、薬剤費への削減圧力が高まる中、何かと批判を受けることの多いMR。質の向上で、くすぶる不要論に待ったをかけることができるのでしょうか。

 

医療のパートナーとして認められていない

医療従事者から「安全性に比べて有効性に偏って情報提供している。いいことしか言わない」と見られることが多く、医療のパートナーとして認められていない現状がある――。

 

MR認定センターは2月23日、MRの資質向上策を検討してきた内部検討委員会の報告書を公表しました。MRが抱える課題を洗い出し、その解決策をまとめたものですが、MRの現状に対しては厳しい言葉が並んでいます。

 

昨今、MRの訪問を規制する医療機関が増えていますが、報告書はその原因を医療従事者からパートナーとして認識されていないからだと分析。訪問規制によって訪問頻度が減少すると、MRは限られた面談の機会に成果を上げようとするため、有効性に偏った情報提供になり、それが医療従事者のさらなる不信を招くという悪循環に陥っていると指摘しています。

 

MRが抱える4つの問題

報告書がMRの問題として挙げているのが、
(1)患者に対する意識の不足
(2)基礎的知識の低下および臨床知識の不足
(3)コミュニケーションスキルの不足
(4)安全対策の不徹底
の4点です。

 

(1)では「マナーや倫理観の欠如によってMRが批判の対象になっているのは事実」とし、処方獲得に関心が向きすぎて医療関係者や患者の目線が抜け落ちているとしたほか、(2)では「臨床検査値などを聞いても患者像がイメージできない」、(3)では「医療関係者や患者、地域の情報を正しく把握しておらず、副作用情報の収集も不十分」、さらに(4)では「RMP(医薬品リスク管理計画)を理解していないMRも多く、添付文書の説明も十分できていない」と、どの指摘も辛辣です。

報告書で指摘されたMR活動の問題点の表。<患者に対する意識の不足>▼社会常識やマナーを含めた倫理観の欠如▼処方獲得に関心が向きすぎ、患者中心の情報を扱っているという意識が不足<基礎的知識の低下·臨床知識の不足>▼経験年数とともに認定試験で学習した基礎的な知識が低下▼検査値を聞いても患者像がイメージできないなど、臨床に関する知識が不足<コミュニケーションスキルの不足>▼医療関係者の情報、患者の情報、地域の情報を正しく把握できていない▼副作用情報の収集も不十分<安全対策の不徹底>▼医薬品リスク管理計画を理解していないMRが多い▼添付文書の説明が十分できていない

 

減り続けるMR「数」と「質」に厳しい視線

国内のMR数は減少を続けています。MR認定センターが毎年公表している「MR白書」によると、国内の製薬企業、CSO、医薬品卸売業者に所属するMRの数は、13年度の6万5752人をピークに、14年度以降3年連続で減少。16年度は6万3185人とこの3年間で2500人以上減りました。

MR数の推移の棒グラフ。2010年:61,426人、2011年:63,875人、2012年:63,846人、2013年:65,752人、2014年:64,657人、2015年:64,135人、2016年:63,185人。

その背景には、後発医薬品の使用拡大や長期収載品の売り上げ減、薬価の引き下げ、プライマリー領域の大型新薬の減少などがあるとされます。薬剤費の削減圧力は高まるばかりで、停滞する市場でいかに生産性を上げていくかは製薬企業にとって大きな課題です。

 

2017年10月には財務省が、財政制度等審議会・財政制度分科会で「医師5人に対して1人のMRによる営業が行われ、待ち時間や雑務が多いとの調査結果もある」とMRの多さに注文を付けました。

 

15年7月には、中央社会保険医療協議会の薬価算定組織が、薬価制度改革に対する意見の中で「過剰もしくは不適切な営業・宣伝活動によって薬価制度自体に無用な疑義を生じさせることがないよう、製薬企業には真に医療に貢献する活動を求めたい」と企業の営業活動について異例の言及。厚生労働省は、MRによる不適切な情報提供を防ぐため、ガイドラインの策定も視野に検討を始めました。

 

理想とされるMR像は

「数」と「質」の両面からMRに厳しい視線が注がれる中、MR認定センターの委員会がまとめた報告書では、「患者志向に立った医薬情報の提供・収集・伝達を通じて、医療関係者から信頼できるパートナーを目指す」ことをMRの理想像に掲げました。

MRの理想像と現在抱える課題の解決策の図。<MRの理想像>患者志向に立った医薬情報の提供・収集・伝達活動を通じて、医療関係者から信頼されるパートナーを目指す。<MRに求められること>・適正使用の推進・チーム医療との関わり・地域医療への貢献・患者理解・患者志向。

さらに、こうした理想像と現状のギャップを埋めるため、製薬企業は「知識」「スキル」「患者志向・倫理観」の3つのポイントでMR教育を強化する必要があると指摘。知識では、「医療従事者とともに科学的根拠に基づいて患者のことを考える力」「臨床に関わる疾患・病態などの知識」を強化する必要があるとし、理想のMRとして重視する患者志向では臨床での実習、医療ボランティアへの参加、模擬患者・疑似患者の体験などを提案しています。

 

報告書ではMRの活動について「自社製品の適正使用を推進して普及する活動は、患者のためであり企業の売り上げにも結びつく同心円のものであるという意識を持たなければならない。MRは販売計画を持っているが、適正使用した結果として営業成績がある」と指摘しています。MR認定センターは今回の報告書に沿って、MRの質向上のために製薬企業が行う研修を支援していく方針です。

 

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