製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MR BiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
品管・品証など高水準 臨床開発はバイオベンチャーでニーズ
2017年9月の求人件数は、全体としては前月と比べてほぼ横ばいとなっています。
職種別に見てみると、「ライセンシング・事業開発」(25%増)や「薬理研究」(10%増)、「薬事」「品質保証/CMC薬事」「製造技術」(8%増)などが増えた一方、「管理薬剤師」(13%減)や「基礎研究」(11%減)、「品質管理/分析研究」(10%減)などは前月に比べて減少しました。
品質管理・品質保証・製造技術・生産技術の求人件数は高い水準で推移しており、バイオ医薬品など新薬の製造にあたって関連職種を増員するため、募集を出す企業が増えています。中でもニーズが高まっているのは、GMP関連職種経験者かつ英語ができる人、バイオや注射剤の取り扱い経験者です。
開発職は、メーカーでの採用が一段落して求人数は減少する一方、バイオベンチャーでの募集が増加しています。背景にあるのは、開発品が臨床段階に進む企業がいくつか出てきたこと。メーカーに比べると規模や安定性には劣るものの、プロトコルの企画に一から関われるのは魅力で、上流での経験を積みたいと考えている人は視野に入れるべき選択肢でしょう。
研究職では、これまでバイオベンチャー中心だった再生医療の分野で、メーカーでの募集も徐々に増えてきています。
[今月の注目職種:MR]外資系×オンコロジー 数十人規模の募集が開始
MRの求人件数はここ数年、減少傾向にあります。
MR認定センターの「MR白書」によると、業界全体のMR数は2014年度以降減少が続いており、16年度までの3年間で2500人以上減りました。プライマリー領域の大型新薬が少なくなっていることなどが要因で、この傾向は今後も続きそうです。
ただ、オンコロジーや中枢神経系、自己免疫疾患といった専門領域では引き続きニーズがあり、9月には外資系企業がオンコロジー領域で数十人規模の募集を始めました。
また、外資系企業を中心に、ダイバーシティーの観点から女性MRを積極的に採用する企業も少なくありません。勤務地を固定するなど、結婚や出産を経ても働き続けられる環境を整える企業も増えています。
MRの中途採用は今後も、全体としてはゆるやかに減少しながら、専門領域でスポット的に募集が行われる傾向が続くと予想されます。専門領域での経験がない人にとっては、MRでの転職は選択肢が少ないのが現実。MRとして生き残っていきたいのであれば、専門分野での経験を積んでおくなど、長期的な視点に立ってキャリアデザインを考えておくべきです。また、最近ではMRからCRA、DI、医療広告代理店営業などに転職するケースも増えています。MR以外の職種に目を向けてみるのもいいかもしれません。
国内の医薬品市場が停滞しつつある中、MRという仕事もますます先が見えづらくなっています。キャリアプランをまだ描けていない人、MRの将来に不安がある人は、早めにコンサルタントにキャリア相談するのがいいでしょう。Answersの転職サポートでもご相談をお受けしていますので、お気軽にお問合せ下さい。申込みはこちら
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