
ギリアド・サイエンシズは7月12日、同社が製造販売するB型慢性肝疾患治療薬「ベムリディ」(テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)の偽造品が中国で発見されたと発表した。国内では確認されていないが、外箱の表示やボトルのラベルが日本語で標記されており、ギリアドは注意を呼びかけている。
ギリアドによると、正規品は製品ボトルのふたが青色なのに対し、中国で発見された偽造品はオレンジ色。チャイルドレジスタンスキャップでなく、ラベルの日本語表記も正規品とは異なる書体が使われている。外箱も封緘シールがついていない上、側面に製品名の記載がなく、不自然に空白が多いという。外箱の開封口のミシン目も雑だった。
錠剤の外観は、正規品が黄色のフィルムコーティング錠なのに対し、偽造品は白色の錠剤が入っていた。
ギリアドの製品をめぐっては今年1月、奈良県の薬局チェーンでC型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が調剤されたことが発覚。この薬局チェーンと複数の医薬品卸売業者から計15ボトルの偽造品が見つかった。厚生労働省の有識者検討会は6月、取り引き時の本人確認の厳格化などを盛り込んだ再発防止策をまとめた。
ベムリディは昨年12月に日本で承認され、今年2月15日に発売された。薬価は1錠996.50円。ギリアドは「現在のところ、日本国内において、ベムリディの偽造品は確認されておらず、また偽造品の服用に起因すると思われる健康被害の報告も受けていない。偽造品が疑われる場合は、その内容物の外観などにかかわらず、決して調剤や内服をしないようにしてください」と注意を呼びかけている。
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