第一三共は7月5日、関節リウマチ治療薬エタネルセプトのバイオシミラー(開発コードCHS-0214)の開発を中止することを決めたと発表した。2018年度の発売を目指していたが、「日本での供給を可能とする商用製剤製造方法を確立できなかった」と説明している。
第一三共は12年に米コヒーラス・バイオサイエンスと提携し、バイオ後続品の開発に参入。16年1月には、同社と共同開発したCHS-0214の国際共同臨床第3相(P3)試験で主要評価項目を達成し、先行品(エンブレル)との同等性・同質性が確認されたと発表していた。
第一三共は当初、エタネルセプトの後続品について16年度の申請、17年度の承認・発売を目指すとしていたが、その後、承認・発売の予定時期は18年度に後退。「申請準備中」と説明していた。
先行品である「エンブレル」の16年度の売上高は404億円。後続品の開発で第一三共と国内1番手を争っていた持田製薬は昨年、申請を済ませており、17年度中の発売を見込んでいる。
第一三共は国内の製薬大手で唯一、バイオシミラー事業に力を入れており、昨年7月には、米アムジェンと日本でのバイオシミラーの商業化に関する契約を締結。関節リウマチ治療薬アダリムマブや抗がん剤ベバシズマブ、同トラスツズマブなど9種類の後続品の開発で提携を結んだ。契約では、アムジェンが開発と製造を担当し、第一三共は承認を物流、販売を担当することになっている。