製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
全体的に前月から増加
2021年1月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増加しました。
職種別に見ると、前月から増加したのは「MR」(26%増)や「基礎研究」(12%増)、「CRA」「MA・MSL」(10%増)など。一方、「生産技術」(7%減)や「ライセンシング・事業開発」(6%減)、「品質管理/分析研究」「製造技術」(5%減)などは減少しました。
[MR/MA・MSL]メーカーで数十人枠の募集、CSOは拡大傾向続く
MRの求人件数は、前月から大幅に増加しました。2桁増となるのは昨年2月以来、約1年ぶりです。
メーカーでは、欠員補充のスポット的な求人のほか、数十人規模の枠で募集を行っている企業があります。ただ、採用のハードルが下がったわけではなく、基幹病院以上の経験を持っていることなどが重視される傾向に変わりはありません。一方、CSOは昨年末からの拡大傾向が継続。幅広い層を対象に募集が出ています。
今年のメーカーのMR採用は、リモートディテーリングの普及などを背景に縮小すると予想されます。とはいえ、新薬の発売や適応拡大に合わせた募集は行われますので、こまめに情報収集し、求人情報をタイムリーに入手することが転職成功のカギとなります。
前月から求人件数が10%増となったMA・MSLは、外資系企業を中心に、既存製品の育成や新製品の発売に先駆けた活動のニーズが出ています。
[研究職]バイオベンチャーのニーズが堅調
研究職では、「基礎研究」が12%増となりました。一部の内資系メーカーで組織強化に伴う募集が出ており、低分子からバイオ医薬品、核酸医薬、再生医療まで幅広いニーズがあります。
バイオベンチャーの採用は堅調。また、医薬品だけでなく、遺伝子検査や次世代シーケンサー(NGS)技術といった分野でも募集が行われています。こうした求人の場合、やはり、遺伝子解析やバイオインフォマティクスの経験があると有利です。
[開発職]一部CROが採用拡大、メーカーは縮小の予想
CRA(モニター)は、稼働率の高いCROを中心に採用が拡大。それぞれの採用枠は小さいものの、メディカル部門での育薬ニーズの高まりを背景に、臨床研究や製造販売後調査(PMS)の分野でも求人が出ています。
CROでは採用に積極的な企業とそうでない企業が二極化している印象。一部のCROでは、受託案件の増加に伴って採用を拡大させており、そうした企業に転職するCRAも増えています。ポテンシャルでの採用は減っていますが、昇進・昇格がしやすい環境を求める中堅以上の方にはチャンスが広がっていると言えそうです。
一方、メーカーのCRA求人はダウントレンドの予想。5月ごろまでは求人も出てきづらいでしょう。
[製造職]人材の動き活発化、改正GMP施行へ採用強化も
製造職は引き続き堅調です。昨年、大規模な自主回収や出荷停止など、品質に関する問題が相次いだこともあり、今年は人材の動きが活発化すると予想されます。8月には改正GMP省令の施行が予定されていますし、企業も採用を強化するでしょう。
製造分野では連続生産が大きなトピックとなっており、オートメーション技術に精通した人材を求める募集も出てきそう。これに関連して、品質管理や品質保証でも新たなニーズが生まれてくると見込まれます。
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コロナ禍のまっただ中でスタートした2021年。11の都府県に緊急事態宣言が出されましたが、昨年の宣言時のように求人件数が大きく落ち込むことはないと予想されます。ウェブ面接も浸透していますし、選考への影響はそれほどなさそうです。
Answers転職サポートでは、求人情報から最新の市場動向まで、幅広く情報を提供しています。転職を考えている方はもちろん、キャリアに不安を感じている方もお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら。
(コンサルタント 佐久間貴大)
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