製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
研究職 再生医療関連で求人増
2017年10月の製薬業界の求人件数は、全体としては前月と比べて横ばいからやや減となっています。
職種別に見てみると、「プロセス研究」(13%増)や「基礎研究」(12%増)、「品質管理/品質保証」(10%増)、「製剤研究・製剤技術」「管理薬剤師」(7%増)、などが増えた一方、「MR」「マーケティング」(12%減)、「薬理研究」(9%減)などは減少しました。
前月から10%以上増えたプロセス研究と基礎研究は、再生医療関連の求人が増えています。募集が多いのは、再生医療の研究開発に取り組む企業が多い関西エリア。バイオベンチャーだけでなく、大手製薬企業でも、再生医療関連でヒト細胞培養の経験者や細胞アッセイの経験者などで求人が出ています。
求人件数は横ばいですが、大手メーカーを中心に新規の求人が複数出ているMW(メディカルライティング)も注目。特にオンコロジー領域で、複数のパイプラインが走っていたり、適応拡大に向けた開発を進めていたりする企業でニーズが高まっています。
CTD(コモン・テクニカル・ドキュメント=医薬品規制調和国際会議で合意された医薬品承認申請様式)の作成経験がある人は、CROなどアウトソーシングでの経験でも応募が可能。若手からシニア層まで幅広く採用ニーズがあります。
バイオ医薬品などの製造でニーズが高まる製造関連職種は引き続き高い水準。一方、MRは前月の5%増から一転、10%以上求人件数が減りました。
[今月の注目職種:開発プロマネ]開発品が臨床段階に バイオベンチャーで高まるニーズ
開発職でここ最近、求人に動きがあるのがプロジェクトマネージャー。メーカーでの求人は横ばいからやや減となっていますが、一方でバイオベンチャーでは部長候補などハイクラスのポジションも含め、ニーズが高まっています。
背景にあるのは、開発品が研究段階から臨床試験段階に進む企業が複数出てきたこと。臨床段階に近い新薬候補を導入するのにあわせて担当者を採用するという企業も少なくありません。海外展開を視野に入れている企業も多く、海外での申請経験を持っている人や、英語ができる人はチャンスがより広がります。
メーカーに比べると規模や安定性では劣るものの、最先端の技術に携わりながら、決済権広く業務ができるのはベンチャーの魅力。再生医療や治療用アプリなど、新たなマーケットを切り開いていけることもやりがいに感じられるのではないでしょうか。
経験豊富な40歳代以上の人は活躍のチャンス
実際、「最後にやりたいことをやりたい」と60歳代でベンチャーへの転職を決めた人もいます。メーカーでの臨床試験プロジェクトマネジメントの経験を求めている企業が多く、経験の豊富な40歳代以上の人には活躍のチャンスが広がっています。
組織が成熟化したメーカーに勤務するマネージャークラスのプロマネの中には、「さらに上のポストも限られており、このまま勤めていて次のステップがあるのか」と思う人も少なくありません。また、新薬が出ないなど会社自体の先行きに不安を抱えている人もいるでしょう。こうした人は、ベンチャーを選択肢に入れてみるのもいいかもしれません。
とはいえ、プロマネの位置付けや役割、裁量の大きさは企業によってさまざま。外からではなかなか見えにくいものです。「最先端の技術に携わりたい」「決済権広く業務を行いたい」という人はもちろん、「このままメーカーに勤め続けて先があるのか」「企業ごとの特徴をつかんだ上でキャリアを考えたい」という人も、一度、コンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか。Answersの転職サポートでもご相談をお受けしていますので、お気軽にお問合せ下さい。申込みはこちら
(コンサルタント 香本牧子)
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