国際共同治験
国際共同治験とは、複数の国や地域で同時に行われる治験のこと。世界規模で新薬の開発に取り組み、上市時期を早めて売上を最大化することが目的である。また、国際共同治験を行うと全世界で同時に新薬を販売できることから、ドラッグ・ラグの解消も期待されている。世界同時治験、グローバル・スタディともいわれる。
海外で行われた治験データを有効なデータとして使用し、少しでも上市時期を早めるために、従来はブリッジングスタディ(海外で過去に行われた治験データを、日本国内の治験データに追加・代用すること)という臨床試験が採用されてきた。国際共同治験はブリッジングスタディに比べ、より早く治験を行い、結果を分析することができる。
■国際共同治験のメリット
・新薬の世界同時開発・申請・承認が可能である。
・ドラッグ・ラグを解消できる
・複数の国や地域で被験者を集めるため、必要な人数を短期間で集められる。
・集まる症例数が多く、副作用を見つけやすい。発現頻度が低い副作用を見つけられる可能性も高まる。
・薬の有効性・安全性に民族差があるかどうかを把握しやすい。など
■国際共同治験を行う際の注意点
・多くの民族が被験者として集められるため、民族差(体格差や習慣の差)を考慮して用法・用量を設定しなければ公正なデータにならない。
・治験の規模が大きいため、重篤な副作用が発生した場合の対応を治験前に決めておく必要がある。
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