バッカル剤
バッカル剤とは錠剤の1種で、薬を口腔内の歯茎と頬の間(バッカル部位)に挟み、唾液でゆっくり溶かし、口腔粘膜から成分を吸収させることによって効果を発揮する薬である。
飲み込んだり舐めたり噛み砕いたりすると、口腔粘膜からの吸収が阻害されて薬の作用が低下するため、服用方法の厳守が重要である。
また、脂溶性(水に溶けにくく油分に溶けやすい性質)の薬物でも吸収されやすく、全身作用も期待できる。
ただし、舌下に挿入して服用する舌下錠と比べて、効果が現れるまで時間がかかる。また、消化管を経由する場合と比べると吸収性が低く、患者の嗜好性や口腔内の状況によっては投与できない場合もある。
主に炎症を止める抗炎症作用薬、ステロイドホルモン剤、がんの疼痛治療薬(鎮痛作用薬)などに用いられる。
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