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実薬対照試験

実薬対照試験とは、薬の臨床試験において対照薬に実薬(すでに有効性が確認されている薬)を用いる比較試験のこと。

比較試験で用いられる対照薬には実薬と偽薬(プラセボ)のどちらかが用いられるが、実薬対照試験では被験者全員に薬効のある薬(実薬)を投与することになるので、偽薬投与で懸念される倫理上の問題※が軽減できるという長所がある。
※倫理上の問題…偽薬には薬効が一切含まれないため、一部の被験者は効果のある治療を受けないまま治験期間を過ごすことになる。この点に倫理上の観点から異を唱える意見も多く、しばしば試験実施上の問題として取り上げられることがある。

なお、対照薬に偽薬(プラセボ)を用いる比較試験はプラセボ対照試験と呼ばれる。

■実薬対照試験の長所
・薬効が証明されている薬を用いるため、患者(被験者)側の同意と協力が得られやすく、被験者を集めやすい(被験者を募る際は、実薬対照試験なのかプラセボ対照試験なのかは明らかにする)
・被験者を集めやすいため、治験審査委員会・倫理委員会から治験実施の承認が下りるまでの時間が短縮される

■実薬対照試験の短所
・被験者数が増えるため、試験実施と結果分析のための時間とコストがかかる
・被験薬の有効性と安全性を、絶対評価で判断できない(実薬との相対評価でしか判断がつかない)

■実薬対照試験の種類
実薬対照試験には、以下の3種類がある。何を検証するかによって、試験の種類が変わる。

・実薬対照優越性試験
被験薬が、実薬と比べてより高い有効性を持つことを検証するための試験。

・実薬対照同等性試験
被験薬が、実薬と同等の有効性を持つことを検証するための試験。

・実薬対照非劣性試験
被験薬が、実薬と比べても劣らないレベルの有効性を持つことを検証するための試験。

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