コホート研究
コホート研究(cohort study)とは、疾病の要因と発症の関連を調べるための観察的研究の手法の一つである。要因対照研究、前向き研究(prospective study)ともいわれる。
特定の疾病要因に関わっている(例:ウイルスが感染する可能性の環境にいた)集団と、無関係の集団の2グループを作り、それぞれのグループの中での対象疾病発生率を算出することで、要因と疾患発症の関連性を調べることができる。
コホート(cohort)とは古代ローマの歩兵隊の1単位を指す英語だが、共通因子を持った集合体という意味も持つことから、集団を利用するこの研究が「コホート研究」と呼ばれるようになった。
■コホート研究によるメリット・デメリットは、それぞれ以下のようなものが挙げられる。
〔メリット〕
・疾患発症に至るまでの発生順序を解明することができる
・複数の事象、原因を知ることができる
・研究者側のバイアスがかかりにくいため、間違った結果を導くことが少ない
〔デメリット〕
・発生率の低い疾病研究には向いていない
・研究にかかる費用と時間が膨大である
■コホート研究の主な例
・喫煙とがん発症の関連性について
・被爆とがん発症の関連性について
・血清コレステロール値と心筋梗塞の関連性について
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