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カルシニューリン

カルシニューリンとは、神経伝達を調整する作用を持ち、脳神経疾患や中枢神経系疾患の発症に影響を及ぼす酵素のこと。
カルシニューリンは、体内のカルシウム濃度が上昇することによって活性化し、遺伝子の発現を調節するほかシナプスを使った神経伝達に影響を及ぼす。ただし、どのような影響を及ぼすのか詳細は未だに解明されていない。

カルシニューリンの減少・もしくは増加が、統合失調症やダウン症候群、アルツハイマー病といった脳神経疾患や、糖尿病、肥大型心筋症といった中枢神経系疾患の発症に影響を及ぼすことが判明している。
例えばマウスを使った実験で、カルシニューリンが作用していないマウスには、統合失調症に似た症状が見られた。この実験により、カルシニューリンが働かないことが統合失調症の発症に結びつくということが明らかになっている。
この作用を逆手にとり、カルシニューリンの作用を阻害し、細胞内情報伝達作用を操作することにより、免疫担当細胞の活動を抑制することができる。
そのため、一部の免疫抑制剤(タクロリムスやシクロスポリン)は、このカルシニューリンの阻害を目的として作られている。

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