ADR
ADR(Adverse Drug Reaction)とは薬物有害反応の略称で、主に治験時に用いられる用語である。投与された薬物との因果関係が否定できない、有害で意図しないあらゆる反応のことを指す。
※有害で意図しないあらゆる反応…疾患の発症、症状の発現、臨床検査値の異常など
ただし、ADRの定義については、WHO(世界保健機関)やFDA(米国食品医薬品局)、EC(欧州委員会)関連組織、また国内の各組織などによって異なる点がある。
とくに投与量や因果関係の判定、有害反応の詳細については、各組織によって見解が異なることが多い。
例えば、WHOでは「有害かつ意図されない反応で、疾病の予防、診断、治療または身体的機能の修正のためにヒトに通常用いられる量で発現する作用」とされているが、日本では投与量について明確にされていない。
また、欧州の関連組織では、因果関係について「少なくとも合理的な可能性があること」としている。
【副作用との相違点】
副作用は本来、薬物の主な作用には関連のない作用のことで、好ましい作用も含まれる。
一般には、有害な反応を意味することが多く、薬事法やその関連規制、各組織などにおいては、ADRと同意義語として使用する場合が多い。
このため、各組織が定義する副作用とADRを確認し、混同しないようにすることが必要である。
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