アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)
アンメット・メディカル・ニーズとは、いまだに治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズのこと。
具体的には、癌、認知症などの重篤な疾患のほか、不眠症や偏頭痛といった、生命に支障はないものの、QOL改善のために患者から強く求められている疾患に対する医療ニーズを指す。
製薬業界では医療ニーズ以外にも、対象となる疾患そのものや、治療薬を指す言葉として使用される。
アンメット・メディカル・ニーズを大別すると、以下の2種類に分けられる。
■患者数が多く、治療薬を必要とする声が多い疾患
生活習慣病、癌などを指す。
■患者数は少ないものの、治療薬の必要性が高い疾患
患者数が5万人未満(厚生労働省の定義による)の、いわゆる希少疾患と呼ばれる難病を指す。これらの希少疾患に効果がある治療薬は「オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)」と呼ばれる。
需要が少なく、採算がとれるか不透明という理由から開発が敬遠されてきた。しかし、近年の薬事法の改正により、オーファンドラッグ指定を受けた医薬品には助成金が交付されるほか、開発費にかかる税金が控除されるようになった。そのため、製薬業界の中で開発が活発化している。
オーファンドラッグとして開発された薬剤としては、新生児けいれん治療薬の「ノーベルバール®(フェノバルビタールナトリウム)」や多発性骨髄腫治療薬の「サレドカプセル®(サリドマイド)」などがある。
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