光線力学的療法(PDT)
光線力学的療法(photodynamic therapy;PDT)とはレーザー治療法の一つで、低出力のレーザーを照射して腫瘍を壊死させる治療法である。
「高温で組織を焼き切る」という従来のレーザー治療法と異なり、「光感受性物質(光増感剤)」を利用することで、レーザー光を当てるだけで治療できる。これは、「光感受性物質」が持つ「レーザー光を当てることによってがん細胞を殺す活性酸素を出す」という特性を活かした治療法である。
■治療法
1)腫瘍親和性感受性物質(光感受性物質の一部)を、静脈注射によって患者に注入する。この物質は、がん細胞に集中する性質を持っている。
2)一定時間経過後、がん細胞を含む部位に低出力レーザーを照射する。
3)がん組織に集まった腫瘍親和性感受性物質が反応して活性酸素が出され、がん細胞が壊死・縮小する。
■治療対象となる疾患例
早期の肺がん、胃がん、食道がん、子宮頸がんは1994年以降、加齢性黄斑変性症では2004年以降保険が適用されている。
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