バイオ医薬品
バイオ医薬品とは、遺伝子組み換え技術やバイオテクノロジー(細胞大量培養法など)を用いて製造された医薬品のことである。低分子医薬品に比べて分子の量が多いことから、高分子医薬品ともいわれる。日本では、1985年にヒトインスリン(遺伝子組み換え技術を使って作られたインスリン)がバイオ医薬品として初めて新薬承認を受けた。
バイオ医薬品は、遺伝子や細胞レベルに働きかけることができ、攻撃精度も非常に高い。そのため、正常な細胞は傷つけずに異常な細胞のみを攻撃できるという特性がある。「効果が高く、副作用が少ない」という特徴から、がんや自己免疫疾患に対する画期的な治療薬ができるのではないかと注目を集めている。
■バイオ医薬品の種類
・ワクチン
毒性がなくなった、もしくは弱められた病原体。体内に入ることで抗体を作り、対象となる感染症にかかりにくくする効果を持つ。
・抗体医薬品
生体が元々持っている免疫機能によりできる「抗体」を主成分として作られた医薬品。特定の抗原(異物)にだけ特異的に結合し、その異物を生体内から除去する。
・細胞性医薬品
人間が元々持っている幹細胞(傷の治癒や、炎症を鎮める働きを持つ)を培養してつくる。幹細胞が持っているホーミング効果(炎症を起こしている患部に集まり、修復しようとする効果)を活かして治療する。
・核酸性医薬品
DNAやRNAの働きを利用し、病気を引き起こす遺伝子やタンパク質に直接働きかける医薬品。
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