PTP包装シート
PTP(press through pack)包装シートとは薬を包装する方法の1つで、錠剤やカプセルをプラスチックとアルミで挟んだシート状のもの。プラスチック部分を強く押す事でアルミが破け、中の薬が1錠ずつ取り出される仕組みになっている。
■PTP包装シートの意味
薬が大気に触れるのを防ぐことで吸湿、紫外線などによる変質を防ぎ、清潔な状態を保つことができる。また、破損を防ぐ効果もある。
■PTP包装シートの危険性
高齢者や乳幼児を中心に、薬をPTP包装シートごと誤飲してしまう重大な事故がまれに発生している。PTP包装シートを1錠分ずつ切り離して服用する際などに起こりがちな事故である。
PTP包装シートは切り離すと角が非常に鋭利になり、誤飲した場合は喉や内臓を傷つけやすい。部位によっては手術を必要とするほど穿孔(せんこう)してしまうこともあるため、細心の注意が必要である。また、飲み込んでしまったPTP包装シートはX線を透過してしまうため発見しづらく、重症化しやすい。
こうした事故を避けるため、1996年以降に作られるようになったPTP包装シートは、1錠ずつ切り離せないように1方向のみのミシン目をつけている。また、誤飲しやすいと考えられる患者や1回に複数の薬を服用する場合はワンドーズパック(1回分の薬をまとめて1つの袋に入れる)で調製するといった工夫もとられている。
しかし誤飲事故はなくならず、さらに画期的な予防策が必要とされている。
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