ワクチン
ワクチンとは、生物学的製剤(バイオテクノロジー技術によって生産された医薬品)の一種で、接種することで感染症の予防に有効な作用を持つ医薬品のこと。毒性がなくなった、もしくは弱められた病原体を体内に注入することで抗体を作り、対象となる感染症にかかりにくくする効果を持つ。
ワクチンは大きく生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドに分けられ、接種方法は皮下注射、経口、皮内注射などがあり、各ワクチンごとに定められている。
生ワクチン・不活化ワクチン共に原則として複数同時接種は禁止されており、複数接種する場合の接種間隔も指定されている(生ワクチンであれば4週間以上、不活化ワクチンの場合は1週間以上)。ただし、医師の判断により必要であると認められた場合のみ、同日接種も可能である。しかし世界的には複数同時接種を認める方向にあり、日本においても検討されている。
生ワクチンと不活化ワクチンの違いは、以下の通り。
■生ワクチン
毒性を弱めた微生物・ウイルスを使用したワクチン。自然感染に近い形で抗体を作るため、接種により液性免疫・細胞性免疫共に得ることができる。そのため不活化ワクチンよりも免疫力が強く、免疫持続時間も長いというメリットがある。しかしその反面、副反応を発症させる可能性が高い。主な生ワクチンの例はBCG、麻疹、おたふく風邪など。
※液性免疫…抗体が中心となって働き抗原を取り除く免疫
※細胞性免疫…細胞が直接働いて抗原を取り除く免疫
■不活化ワクチン
微生物やウイルスの持つ体内で増殖する機能を、化学処理などによって無効化(不活化)させ、毒性をなくしたものを使用したワクチン。生ワクチンと比べ副反応が少ない点がメリットだが、獲得できる免疫が液性免疫のみであり免疫持続時間が短いなどのデメリットがある。そのため、不活化ワクチンには複数回の接種が必要なものが多い。代表的な不活化ワクチンはインフルエンザウイルスワクチン。その他、狂犬病や百日咳など。
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