半減期
半減期とは、物質やその能力や機能、濃度などが、代謝などの化学的な反応などによって半減するまでに要する時間を指す。
一般的には生物学的半減期と物理学的半減期とに大別される。
■生物学的半減期
生体内に入った薬などの物質が、代謝や排泄などによって半分に減るまでに要する時間を示す。薬学の分野では血中薬物濃度が半減するまでに要する時間を指し、「薬物の半減期」や「血中濃度半減期」「消失半減期」と呼ばれる。
半減期が短いということは、薬物が素早く代謝・排泄されることを示しており、薬の効き目も短い。反対に半減期が長ければ、薬が体内で作用する時間が長いことを意味する。
また、薬の効能を発揮させながら副作用の出現を抑制するためには、有効な血中薬物濃度を保つことが重要である。そのため薬の半減期は、投与間隔を決める重要な目安とされている。
例えば半減期が8時間とされる場合、薬は服用8時間後に体内の薬物が半分に減る。このため、薬を1日3回8時間毎に服用すると有効的に使用できる。
■物理学的半減期
放射性物質が崩壊し放射能(放射線を出す能力)が元の半分に減るまでに要する時間を示す。
放射性物質の人体への影響には、物理学的半減期だけでなく、体内への取り込まれやすさや生物学的半減期、放射性物質の種類などが総合的に精査されて判断される。
なお、PET検査やアイソトープ治療などで用いられる放射性医薬品には、半減期が数時間~数日と短いものが多い。しかし、生物学的半減期と異なることなどから、安全管理については放射性医薬品の種類によって異なる。
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