クロスオーバー法
クロスオーバー法とは、慢性疾患に対する薬の治験で用いられる試験方法の一種。交差試験、交互試験とも呼ばれる。
■方法
複数の被験者をいくつかの群に分け、それぞれの群に被験薬(治験の対象薬剤)と対照薬(被験薬の効果を調べるための比較用薬剤)を、順番を決めて投与する。対照薬は1つのこともあれば、2つ以上の場合もある。
各被験者に被験薬と対象薬を投与する際、投与の順番を群ごとにずらすことで、それぞれ違った結果を見ることができる。
例えば一方のグループにはまず被験薬Aを投与。その後対照薬Bを投与し、Aの効能や服用後の身体の様子、Bとの相性などを調査する。
もう一方のグループでは最初に対照薬Bを投与し、その後被験薬Aを投与。単純な投与の結果(反応)を集計するほか、他グループと比べてAの効能に変化があるかなども比較評価することで、より多くの角度から被験薬Aの有効性を確かめることができる。
■クロスオーバー法のメリット
・例えば2つの薬剤AとBを比較する場合、一人の被験者から2通りの投与結果(A→B、B→A)を得ることができる
・対象となる薬剤の効果を個人ごとに比較できるため、効果の個体差をなくすことができる
■クロスオーバー法のデメリット
・先に投与した薬が被験者の体内に残っている場合、正確な結果を得られないことがある
・上記の理由から、ウォッシュアウト期間(体内から薬の成分を抜くための休薬期間)が必要となるため、試験期間が長引くことがある
・先に投与した薬の作用により、次の薬が投与できなくなってしまう(被験者の脱落)ことがある
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