市販直後調査
市販直後調査とは、市販された新薬の安全性と有効性を確かめるために行われる「市販後調査(Post Marketing Surveillance;PMS)」の一つ。
具体的には、医薬品製造業者(製薬企業)が医療機関から収集した情報を使って調査する。
新薬の市販後、医薬品製造業者は半年間にわたり、その新薬を使用する医療機関に対し「医薬品の適正な使用情報の提供」と「医薬品による重篤な副作用に関する情報収集」を行う。その結果、副作用が発生した事例などが見つかれば同種の事例などを集め、医療機関に対して適切な情報提供・注意喚起を行う。
2001年に行われた、「医薬品の市販後調査の基準に関する省令」の改正に伴い、市販直後調査が実施されるようになった。この調査が行われるようになってから、市販後重篤な副作用を引き起こすことが発覚した薬も少なくない。今では薬全体の有効性・安全性を保つために不可欠な調査となっている。
また、PMSのそのほかの種類には使用成績調査、特定使用成績調査などがある。
■PMSが行われるようになった背景
新薬発売前に副作用の有無を調査する治験では、子供や高齢者が被験者にならない。また、医薬品の使用量・使用法も細かく定められた中での結果しか見ることができない。
そのため、薬を実用した際には治験では把握できなかった副作用が現れる可能性があるため、市販後調査が行われるようになった。
■PMSにおける市販直後調査の位置づけ
PMSでは、販売前には把握できなかった情報を収集するために、GPSP(Good Post-marketing Study Practice)に基づく再審査や再評価のための試験・調査が行われ、また、製品の安全確保措置を図るために、GVP(Good Vigilance Practice)に基づく市販後安全対策が行われる。
市販直後調査はGVPの一部であり、新薬の副作用報告に焦点を当てた調査である。
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