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GLP

 GLP(Good Laboratory Practice)とは、非臨床試験において、試験施設(場所)の設備・機器、組織・職員、検査・手順・結果等が、安全かつ適切であることを保証する「優良試験所規範(基準)」。非臨床試験とは、製造(輸入)承認を受けるために、治験(臨床試験)の前に実施を義務づけられている試験のこと。
 サリドマイド薬害事件などを契機として、試験検査の精度を確保、確認するために、1979年、米国食品医薬品局(FDA)がGLPを施行したことに端を発し、1981年に経済協力開発機構(OECD)がGLP基準を制定した。

 日本では、薬事法に基づいたGLP省令が定められている。1997年3月制定の厚生労働省令第21号「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令」(医薬品GLP/ 2008年6月改正・第114号)。2005年3月制定の厚生労働省令第37号「医療機器の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令」(医療機器GLP/ 2008年6月改正・第115号)。他に、食品GLP、化学物質GLP、労働安全衛生法(安衛法)GLPなどもある。

 試験施設ごとに行われるGLP適合性調査に関しては、厚生労働省(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が実施する。評価はA〜Cで、評価Cは承認審査から除外される。

 GLP省令には、以下のことが規定されている。
 運営管理者は、試験施設の運営管理、計画書等や標準操作手順書(SOP)の作成・記録・保存を行う。また、信頼性保証部門(QAU/Quality Assurance Unit)責任者、資料保存施設管理責任者の指名を行う。
 試験責任者は試験計画書を作成し、承認を受ける。また、試験実施が試験計画書および標準操作手順書を遵守しているかを精査する。最終報告書も試験責任者が記録する。
 信頼性保証部門(責任者)は、試験関係者以外の者が任命され、試験計画書、試験実施の保証を調査、勧告、再調査する。
 試験業務を外部委託する場合は、GLP省令に従って、契約を交わす必要がある。

GLPではその他にも、次のような内容について定められている。
 ・設備や機器の使用管理
 ・生データ・標本等の整備保存等
 ・動物の飼育管理
 ・被験物質・対照物質の取扱い
 ・試薬および溶液の表示・保管
 ・コンピュータ調査
 ・トキシコキネティクス(TK)試験
 ・遺伝毒性試験
 ・安全性薬理コアバッテリー試験
 ・複数場所試験

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