厚生労働省は12月6日、今年9月取引分を対象に行った医薬品価格調査(薬価本調査)の結果、医薬品の市場実勢価格と薬価の差(平均乖離率)が約9.1%だったと発表した。平均乖離率は前回2015年の調査(8.8%)から0.3ポイント拡大。9%を超えたのは99年調査以来18年ぶり。同日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会に報告した。
平均乖離率から調整幅2%を差し引くと、18年4月に行われる薬価改定での市場実勢価格に基づく引き下げ幅は7.1%。国の薬剤費を9兆円と仮定すると、約6400億円の削減になる。
薬価本調査は17年9月取引分を対象に、販売サイドから11月2日までに報告があった取引価格を集計した。後発医薬品の使用が広がったことや、収益悪化を背景に調剤薬局が納入価を抑えたことなどが、乖離率拡大の要因とみられる。
乖離率を投与経路別に見ると、内用薬10.1%、注射薬7.2%、外用薬8.2%。歯科用薬剤は市場実勢価格が薬価を4.0%上回った。
薬効別では、その他アレルギー用薬(14.5%)や血圧降下剤(13.3%)、消化性潰瘍用剤(13.1%)、高脂血症用剤(12.7%)などで乖離率が10%を超えた。一方、内用の抗ウイルス剤(5.8%)やその他の腫瘍用薬(6.6%)、注射のその他の腫瘍用薬(6.0%)などは乖離率が低かった。
後発品の数量ベースの使用割合は約65.8%で、15年調査(約56.2%)から9.6ポイント上昇した。