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MR 減少に歯止めかからず…3年で2500人超減る 日本企業にも削減の波

MRの減少に歯止めがかかりません。

 

MR認定センターがまとめた「MR白書」によると、2016年度の国内のMR数は6万3185人で、前年度から950人(1.5%)減少しました。MRが減ったのは3年連続。16年度は日本企業のMRが4年ぶりに減少に転じ、外資系企業の減少幅を上回りました。

 

MRを取り巻く環境は変化の真っただ中。MRの減少傾向は鮮明となっていますが、営業体制の見直しが本格化するのはこれからです。

 

日本企業のMR 4年ぶりに減少

MR認定センターの「MR白書」によると、国内の製薬企業やCSO、医薬品卸売業者に所属するMRの数は、2013年度の6万5752人をピークに減少を続けています。それまでの増加傾向から一転、14年度は1095人、15年度は522人減り、16年度も950人減少。この3年で2567人減ったことになります。

MR数の推移

 後発医薬品の使用拡大と長期収載品の売り上げ減、薬価の引き下げに新薬のスペシャリティー領域化…。国内の市場環境が厳しさを増す中、営業体制の見直しはどのメーカーにとっても大きな課題で、MRの削減はもはや業界のトレンドになったと言っていいでしょう。国内市場はこの先、停滞が見込まれており、生産性を維持するには人員に手をつけざるを得ません。

 

16年度、特徴的だったのは、内資製薬企業のMRが久しぶりに減少に転じたことです。14年度以降、毎年MRを減らしてきた外資製薬企業とは対照的に、横ばいから微増を維持してきた内資企業ですが、16年度は649人(1.7%)減少しました。内資のMRが減るのは12年度以来、4年ぶり。外資の減少幅(335人、1.5%)を上回りました。

内資・外資・CSO別のMR数の推移

 これまで外資が中心だったMR削減の波が、いよいよ日本企業にも及んできたということなのでしょうか。16年度は、大日本住友製薬がリストラを行い、営業部門を中心に295人が早期退職しました。同社のMR数(マネージャー含む)は、16年3月末の1460人から、17年3月末には1260人まで減りました。

 

採用は低調 半数超が新卒採用なし 中途も微減

全体として減少傾向にあるだけに、MRの採用も振るいません。

 

MR認定センターに登録している製薬企業やCSOなど210社のうち、2016年度に新卒者の採用を行ったのは97社(46.2%)。半数以上の111社(52.9%)は新卒採用を行っていませんでした。昨年度と比べると、新卒を採用しなかった企業の割合は0.7ポイント上昇。市場の先行きに不透明感が漂う中、新卒採用を抑制する流れが続いています。

MRの新卒採用状況

新卒採用を行わなかったのは、内資製薬企業が44.8%(前年度比0.7ポイント減)だった一方、外資製薬企業は59.6%(1.8ポイント増)とほぼ6割に達しました。CSOはすべての企業が新卒採用を行いませんでした。

 

中途採用は62.4%の企業が行ったものの、15年度と比べると1.9ポイント減少しました。雇用形態別に見ると、中途採用を行った企業のうち、正社員を採用した企業が88.5%、契約社員として採用した企業が38.9%(複数回答)。前年度と比べると、正社員を採用した企業の割合は0.2ポイント減とほぼ横ばいですが、契約社員を採用した企業は3.6ポイント上昇しました。

MRの中途採用の状況

中途採用者の前職では、製薬他社のMRが最も多く(79.4%)、コントラクトMR(51.1%)、特約店関係者(MSなど、19.1%)と続きました。昨年度と比べると、製薬他社のMRが減る一方、コントラクトMRが増加しました。

 

営業体制の見直し 本格化はこれから

MRをとりまく環境は、薬価制度や医療提供体制の改革などにより、変化の真っただ中にあります。後発品の普及と薬価引き下げで収益性が下がる長期収載品を軸に、各社が事業再編を進めており、長期収載品には営業リソースを割かない企業も増加。高度な学術情報を提供するMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)も存在感を増し、製品のプロモーションにAI(人工知能)の活用を模索する企業も出てきました。

 

一方、がんや中枢神経系、自己免疫疾患や希少疾病など、新薬のスペシャリティー化に伴って専門領域を強化する動きも加速しています。小野薬品工業は2014年、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」の発売にあわせてがん領域専門のMRを導入。その人数は16年度に250人まで増えました。MR数全体では減少傾向にあるものの、削減一辺倒というわけでもありません。

 

地域包括ケアシステムの構築など医療提供体制の変化にあわせ、新たな役割も求められているMR。総数としては3年連続の減少となりましたが、営業体制の見直しが本格化するのはむしろこれからです。

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