Meiji、サンドとペニシリン系抗菌薬の原薬製造で提携/参天が新中計、29年度に売上収益4000億円 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年5月21日)
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AnswersNews編集部

MeijiSeikaファルマ、サンドとペニシリン系抗菌薬の原薬製造で提携
MeijiSeikaファルマは5月21日、スイスのサンドと、ペニシリン系抗菌薬の原薬中間体の製造で提携すると発表した。両社は設備投資と技術提携に関する契約を締結し、これに基づいてサンドがペニシリン系抗菌薬の原薬中間体であるアンピシリン水和物の製造設備を新設。MeijiSeikaファルマはその費用の一部を負担するとともに、新設された設備で製造された原薬中間体を購入する。さらにMeijiSeikaファルマは、サンドから原薬中間体の製造方法を取得し、国内で生産体制を整備する。MeijiSeikaファルマは特定重要物資であるペニシリン系抗菌薬2剤について、岐阜工場を活用して原材料(母核)である6-アミノペニシラン酸の国内生産体制の構築に取り組んでいる。6-アミノペニシラン酸以降の工程についても他社と協業し、海外からの供給が途絶えた場合でも国内に安定供給できる生産体制の整備を進めている。
参天が新中計、29年度に売上収益4000億円
参天製薬は5月21日、2025~29年度の中期経営計画を発表した。最終年度に売上収益4000億円(24年度実績は3000億円)、コア営業利益800億円(594億円)を目指す。短中期の売り上げ成長に向けては、EMEA(欧州・中東・アフリカ)とアジア、中国で展開している海外事業の拡大を図るとともに、近視や眼瞼下垂で市場創造と海外展開に取り組む。海外事業の売り上げ比率は29年度に58%(24年度比14ポイント増)とする計画。同社は25年度までの3カ年の中計を進めていたが、数値目標を前倒しで達成したため、新たな中計を策定した。
ブリストル、閉塞性肥大型心筋症治療薬「カムザイオス」発売
ブリストル・マイヤーズスクイブは5月21日、閉塞性肥大型心筋症治療薬「カムザイオスカプセル」(一般名・マバカムテン)を発売したと発表した。同薬は心筋ミオシン阻害薬。ミオシンとアクチンのクロスブリッジ形成を抑制することで心筋の収縮力を弱め、心筋のエネルギー消費を抑える作用を持つ。薬価は1mg1カプセル7204.00円、2.5mg1カプセル7264.80円、5mg1カプセル7410.50円。ピーク時に219億円の売り上げを見込む。
アレクシオン、ATTR-CM治療薬「ビヨントラ」発売
アレクシオンファーマは5月21日、トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)治療薬「ビヨントラ錠」(アコラミジス塩酸塩)を発売したと発表した。同薬はTTR四量体安定化薬で、ATTR-CMの根本原因であるTTR四量体の不安定化を標的とし、自然に発生する「レスキュー変異」TTR遺伝子(T119M)を模倣するよう設計されている。薬価は400mg1錠8995.90円。ピーク時に142億円の販売を見込む。
ヤンセン、潰瘍性大腸炎治療薬「トレムフィア」発売
ヤンセンファーマは5月21日、潰瘍性大腸炎治療薬の抗IL-23p19抗体「トレムフィア点滴静注/同皮下注シリンジ/同皮下注ペン」(グセルクマブ)を発売したと発表した。いずれも中等症から重症の潰瘍性大腸炎が対象で、点滴静注は寛解導入療法に、皮下注はその後の維持療法に使用する。乾癬などの治療薬としてすでに承認されている皮下注100mgシリンジ製剤にも、3月27日付で中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する維持療法の適応が追加されている。薬価は点滴静注が200mg20mL1瓶25万3045円、200mg皮下注製剤が200mg2mL1筒/200mg2mL1キット33万9733円。ピーク時にそれぞれ45億円と217億円の販売を見込む。
リリー・持田、クローン病治療薬「オンボー」が発売へ
日本イーライリリーと持田製薬は5月21日、クローン病治療薬の抗IL-23p19抗体「オンボー皮下注200mgオートインジェクター」(ミリキズマブ)を6月23日、「同シリンジ」を8月中旬に発売すると発表した。中等症から重症の活動期クローン病が対象。すでに販売されている点滴静注剤による治療終了後に使用する。従来製剤と同様に、リリーが製品供給し、持田が流通・販売と情報提供活動を担当する。薬価は200mg2mL1キット/200mg2mL1筒で24万2888円。
ヤンセン、肺がん治療薬「ラズクルーズ」発売
ヤンセンファーマは5月21日、EGFR阻害薬「ラズクルーズ錠」(ラゼルチニブメシル酸塩水和物)を発売したと発表した。適応は「EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」で、同社の抗EGFR/MET二重特異性抗体「ライブリバント」(アミバンタマブ)と併用する。薬価は80mg1錠4403.30円、240mg1錠1万2354.70円で、ピーク時の販売予測は130億円。
ジェンマブ、子宮頸がん向けADC「テブダック」発売
ジェンマブは5月21日、抗組織因子抗体薬物複合体(ADC)「テブダック点滴静注用」(チソツマブ べドチン)を発売したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪した進行または再発の子宮頸がん」。薬価は40mg1瓶25万2241円で、ピーク時に35億円の販売を見込む。
参天・バイエル「アイリーア」高濃度のプレフィルドシリンジ製剤発売
参天製薬とバイエル薬品は5月21日、眼科用VEGF阻害薬「アイリーア8mg硝子体内注射用キット」(アフリベルセプト)を発売したと発表した。昨年4月に発売した高濃度製剤のプレフィルドシリンジ製剤。従来製剤で必要だったバイアルからシリンジへの移し替えが不要となり、医療従事者の負担軽減を期待する。
MSD「ラゲブリオ」錠剤を発売
MSDは5月21日、新型コロナウイルス感染症治療薬「ラゲブリオ」(モルヌピラビル)の錠剤を発売したと発表した。有効成分の含有量を従来のカプセル剤の2倍となる400mgに増やし、1回あたりの服用数を4カプセルから2錠に削減。錠剤の大きさもカプセルより小さく、服用の負担軽減によってアドヒアランスの向上を期待する。薬価は1錠4329.80円。1日薬価はカプセル剤と同額の1万7319.20円となる。