GSK「ブーレンレップ」承認、多発性骨髄腫に初のADC/モデルナ、RSウイルスワクチンの承認取得 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年5月19日)
更新日
AnswersNews編集部

GSK、多発性骨髄腫治療薬「ブーレンレップ」承認
グラクソ・スミスクラインは5月19日、多発性骨髄腫治療薬の抗BCMA抗体薬物複合体(ADC)「ブーレンレップ点滴静注用」(一般名・ベランタマブ マホドチン)の承認を取得したと発表した。成人の再発・難治性の患者が対象で、承認はボルテゾミブ、デキサメタゾンとの併用療法と、ポマリドミド、デキサメタゾンとの併用療法を評価した臨床第3相(P3)試験の結果に基づく。同試験では、標準治療と比較して無増悪生存期間を有意に改善した。多発性骨髄腫に対するADCは初。
モデルナ、RSウイルスワクチン「エムレスビア」承認
モデルナ・ジャパンは5月19日、RSウイルスワクチン「エムレスビア筋注」の承認を取得したと発表した。60歳以上の成人が対象。同ワクチンは、RSウイルスの宿主細胞への侵入に関与する融合前F糖タンパク質をコードしたmRNA配列からなるワクチン。同社の新型コロナウイルスワクチンと同じ脂質ナノ粒子を使用している。
あすか製薬、プロゲスチン単剤の経口避妊薬「スリンダ」承認
あすか製薬は5月19日、経口避妊薬「スリンダ錠」(ドロスピレノン)の承認を取得したと発表した。スペインのInsud Pharmaから日本と韓国での独占的開発販売権の許諾を受けて開発した薬剤。国内では現在、合成エストロゲンとプロゲスチンの2種類の女性ホルモンが含有された混合型経口避妊薬が使われている。スリンダは単剤型のプロゲスチン製剤で、混合型に比べて静脈血栓塞栓症のリスクが低く、世界保健機関のガイドラインでは、喫煙者、肥満、高血圧、弁膜症の女性や深部静脈血栓症、肺塞栓症の既往を有する女性には混合型より高い推奨度とされている。
富士レビオ、米国初のアルツハイマー病血液検査が承認
H.U.グループホールディングスは5月19日、子会社の富士レビオ・ホールディングス傘下の米富士レビオ・ダイアグノスティクスが、アルツハイマー病の診断補助に使用する血液用体外診断用医薬品の承認を米国で取得したと発表した。アルツハイマー病に対する血液を使った体外診断用医薬品は米国初。血漿中のpTau217とβ-アミロイド1-42を測定し、その比率を評価することで脳内アミロイドβの蓄積状態の把握を補助する。
「ファビハルタ」C3腎症への適応拡大が承認
ノバルティスファーマは5月19日、経口補体阻害薬「ファビハルタカプセル」(イプタコパン塩酸塩水和物)について、C3腎症への適応拡大が承認されたと発表した。C3腎症に対する治療薬の承認は初。C3腎症の根本原因とされる補体第二経路の過剰な活性化を阻害することで効果を発揮する。承認の根拠となったP3試験では、投与6カ月時点の24時間蓄尿による尿蛋白/クレアチニン比のベースラインに対する比をプラセボと比べて35.1%減少させた。
「バビースモ」網膜色素線条への適応拡大承認
中外製薬は5月19日、抗VEGF/抗Ang-2二重特異性抗体「バビースモ硝子体内注射液」(ファリシマブ)について、脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条に対する適応拡大の承認を取得したと発表した。網膜色素線条に対する治療薬の承認は初めて。承認は国内で行ったP3試験の結果に基づく。同薬はすでに新生血管を伴う加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の治療薬として承認されている。
「キイトルーダ」悪性胸膜中皮腫に適応拡大、胃がんではHER2陽性・陰性問わず使用可能に
MSDは5月19日、抗PD-1抗体「キイトルーダ点滴静注」(ペムブロリズマブ)について、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫への適応拡大の承認を取得したと発表した。胃がんの適応では添付文書の改訂が行われ、HER2の陽性・陰性に関わらず1次治療で使用できるようになった。悪性胸膜中皮腫での承認は、海外P2/3試験や国内P1b試験のデータに基づく。胃がんの適応は2024年に承認されていたが、添付文書の効能・効果に関連する注意の項目ではHER2陰性の患者に投与することとされていた。HER2陽性の患者を対象に行ったP3試験の結果を受けて添付文書が改訂され、PD-L1陽性が確認されたHER2陽性の患者にも投与可能となった。
「タグリッソ」根治的化学放射線療法後の維持療法への適応拡大承認
アストラゼネカは5月19日、抗がん剤「タグリッソ錠」(オシメルチニブメシル酸塩)について、「EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な局所進行の非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法」への適応拡大の承認を取得したと発表した。承認の根拠となったP3試験では、根治的化学放射線療法後のタグリッソ投与は、プラセボと比較して病勢進行または死亡のリスクを84%低下させた。無増悪生存期間の中央値はプラセボ群5.6カ月、タグリッソ群39.1カ月だった。
「ライブリバント」化学療法との併用療法が承認
ヤンセンファーマは5月19日、抗EGFR/MET二重特異性抗体「ライブリバント点滴静注」(アミバンタマブ)について、EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する化学療法(カルボプラチン、ペメトレキセドナトリウム)との併用療法が承認されたと発表した。同薬は、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する化学療法との併用療法と、EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対するEGFR阻害薬「ラズクルーズ」との併用療法が承認済み。今回承認された適応は、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬による治療後に増悪した患者に対する新たな治療選択肢となる。
「セムブリックス」初発患者に適応拡大
ノバルティス・ファーマは5月19日、慢性骨髄性白血病治療薬「セムブリックス錠」(アシミニブ塩酸塩)について、初発の成人患者への適応拡大が承認されたと発表した。承認の根拠となった国際共同P3試験では、医師が選択したチロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ)に対する優越性が検証された。日本では2022年に前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病の適応で承認されている。
「スパイクバックス」生後6カ月以上4歳以下への追加免疫が承認
モデルナ・ジャパンは5月19日、新型コロナウイルス感染症ワクチン「スパイクバックス筋注」について、生後6カ月以上4歳以下に対する追加免疫の適応が承認されたと発表した。今回の承認により、生後6カ月以上のあらゆる世代に接種歴の有無を問わず接種できるようになる。
中外「ピアスカイ」台湾で承認
中外製薬は5月19日、発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬「ピアスカイ」(クロバリマブ)が台湾で承認されたと発表した。同薬は2024年2月に中国で世界初の承認を取得。その後、日本、米国、欧州でも同年に承認されている。