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製薬業界 きょうのニュースまとめ読み(2023年5月15日)

更新日

 

アステラス、フェゾリネタントが米国で承認

アステラス製薬は5月13日、閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状(VMS)の治療薬「VEOZAH」(一般名・フェゾリネタント)が12日付で米国で承認されたと発表した。アステラスがピーク時に3000~5000億円の売り上げを期待する新薬で、2023年度は400~500億円の売り上げを見込んでいる。脳内物質のニューロキニンB(NKB)をブロックする作用を持ち、脳の体温調節中枢のニューロン活動を緩和することでホットフラッシュ(顔のほてり、のぼせなど)の頻度と重症度を軽減する。閉経に伴うVMSに対する非ホルモンのニューロキニン3受容体拮抗薬は初めて。欧州と豪州でも申請中で、日本では臨床第2相(P2)試験を行っている。

 

東和薬品、中計の営業利益目標を下方修正

東和薬品は5月15日、2021~23年度の中期経営計画の営業利益目標を下方修正したと発表した。修正後の目標は3年間の累計で365億円以上。従来は570億円以上を目指していた。限定出荷による販売数量の減少、原材料費高騰による原価率上昇、三生医薬買収によるのれん償却費の発生といった要因で、従来目標の達成は困難と判断した。

 

持田、細胞の製造プロセス開発でPuRECと業務提携

持田製薬は5月15日、島根大発ベンチャーのPuREC(島根県出雲市)と、同社が持つヒト骨髄由来の高純度間葉系幹細胞「REC」の製造プロセス開発に関する業務提携契約を結んだと発表した。両社はRECとアルギン酸ナトリウムを組み合わせた再生医療等製品の研究を進めており、腰部脊柱管狭窄症などを対象に新規治療の共同事業化契約を結んでいる。今回の業務提携では薬事規制に対応したRECの製造プロセスを共同開発し、製品開発を加速させる。

 

モデルナ、新型コロナ・インフルの流行状況をリアルタイムで把握できるサイト開設

モデルナ・ジャパンは5月15日、国内の新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの流行状況をリアルタイムで提供するサイト(https://moderna-epi-report.jp/)を開設したと発表した。提供するのは、エムスリーが持つリアルワールドデータ(JAMDAS=日本臨床実態調査)をベースとした国内患者の推計値。新型コロナは今月8日に感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ5類に変更され、感染者数をリアルタイムで把握することが難しくなった。モデルナは「感染症の予防には、最新の流行状況を正しく把握した上で適切に行動することが重要だ」としている。

 

決算

エーザイ(2023年3月期、5月15日発表)

売上収益7444億200万円(前期比1.6%減)、営業利益400億4000万円(25.5%減)。前期に抗体薬物複合体「MORAb-202」に関する米ブリストル・マイヤーズスクイブとの提携による契約一時金(496億円)を計上した反動で減収減益となった。主力の抗がん剤「レンビマ」の売り上げは前期比29.8%増の2496億円。日本の医療用医薬品の売上収益は2154億円(0.6%増)で、レンビマのほか不眠症治療薬「デエビゴ」などが伸びた。24年3月期の業績予想は売上収益7120億円(4.4%減)、営業利益500億円(24.9%増)。今年6月に抗TNFα抗体「ヒュミラ」の販売提携が終了することなどで減収を見込む一方、研究開発の効率化などで費用は減少する。

 

住友ファーマ(2023年3月期、5月15日発表)

売上収益5555億4400万円(前期比0.8%減)、営業利益769億7900万円の赤字(前期は602億3400万円の黒字)。パーキンソン病治療薬「キンモビ」の収益予測見直しや抗がん剤dubermatinibの開発中止などに伴って総額882億円の減損損失を計上し、745億円1200万円の最終赤字となった。24年3月期は売上収益3620億円(34.8%減)、営業利益780億円の赤字を予想。今年2月に北米で独占期間満了を迎えた抗精神病薬「ラツーダ」の北米売上収益が209億円(89.5%減)まで落ち込み、800億円の最終赤字を計上する見込み。

 

東和薬品(2023年3月期、5月15日発表)

売上高2088億5900万円、営業利益55億1400万円。決算期の変更に伴い一部子会社の15カ月間の決算が含まれており、前期比は開示していない。従来の決算と同じ基準で比較すると、売上高は15.9%増、営業利益は64.7%減。三生医薬を連結子会社化したことで増収となった一方、原価率の上昇が利益を圧迫した。24年3月期は売上高2163億円、営業利益118億円を見込んでいる。

 

持田製薬(2023年3月期、5月15日発表)

売上高1032億6100万円(前期比6.3%減)、営業利益85億700万円(40.9%減)。後発医薬品が参入した抗うつ薬「レクサプロ」が前期比34%減と落ち込んだことが響いた。24年3月期は売上高1040億円(0.7%増)、営業利益85億円(0.1%減)を見込む。

 

日本化薬(2023年3月期、5月15日発表)

医薬事業の売上高は517億1100万円(前期比0.7%減)、セグメント利益86億9600万円(0.6%増)。薬価改定の影響を受けたものの、抗がん剤「ダルビアス」や同ベバシズマブのバイオシミラーの発売、同ペメトレキセドの後発品などの好調な市場浸透により、売り上げは前期並み、利益は微増となった。

 

アルフレッサHD(2023年3月期、5月15日発表)

売上高2兆6960億6900万円(前期比4.3%増)、営業利益301億4800万円(3.6%増)。主力の医療用医薬品等卸売事業は売上高2兆3953億5800万円(4.7%増)、営業利益269億7000万円(8.6%増)。市場の拡大や談合事件による入札指名停止期間の終了、診断薬の販売拡大などで増収増益となった。24年3月期は売上高2兆7440億円(1.8%増)、営業利益320億円(6.1%増)を予想している。

 

スズケン(2023年3月期、5月15日発表)

売上高2兆3148億2800万円(前期比3.4%増)、営業利益326億500万円(62.1%増)。スペシャリティ医薬品などの新薬や、新型コロナウイルス感染症関連の治療薬・診断薬が寄与した。医薬品卸売事業は売上高2兆2269億1900万円(3.5%増)、営業利益は270億5000万円(83.6%増)。24年3月期は売上高2兆2319億円(3.6%減)、営業利益170億円(47.9%減)を予想。新型コロナ関連商材の大幅な需要減を見込む。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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