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光免疫療法

光免疫療法とは

光免疫療法とは、光に反応する化合物と抗体を結合させた薬剤を投与し、患部に光を当てることでがん細胞を破壊する治療法です。抗体薬物複合体(ADC)の一種で、現在、楽天グループの楽天メディカル(本社・米国カリフォルニア州サンマテオ)が臨床試験を行っています。

 

楽天メディカルが開発している光免疫療法「RM-1929(ASP-1929)」は、EGFR(上皮成長因子受容体)を標的とする抗体医薬セツキシマブに、非熱性赤色光で活性化するIR700という色素を結合させたもの。患者に投与されたRM-1929は、がん細胞に発現しているEGFRに結合。そこにレーザー装置で非熱性赤色光を当てると、IR700が反応し、がん細胞を破壊するとされています。

 

光免疫療法は、がん細胞を物理的に破壊するだけでなく、破壊されたがん細胞から抗原が放出されることで、患者自身の免疫も活性化するとされています。がん細胞を直接破壊するとともに、免疫細胞によるがんへの攻撃が増強することで、高い治療効果が期待されています。

 

光免疫療法の開発状況

EGFRは、頭頸部がんや肺がん、膵臓がん、大腸がん、乳がん、卵巣がんなどさまざまながんで発現します。楽天メディカルは現在、頭頸部がんを対象にRM-1929の国際共同臨床第3相(P3)試験を実施中です。RM-1929は日本で、世界に先駆けて日本で申請される画期的新薬の承認審査期間を短縮する「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されています。

 

光免疫療法は、米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆主任研究員らのグループが開発し、2011年11月に医学誌で発表。NIHは米国のベンチャー企業・アスピリアンセラピューティクスに光免疫療法をライセンスしました。その後、楽天がアスピリアンに出資し、社名も楽天メディカルに変更。楽天は現在、楽天メディカルの発行済み株式の22.6%を保有し、同社を持分法適用会社としています。

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