英文履歴書(RESUME)の提出は、外資系企業に応募する場合に求められることがあります。英文履歴書は、外国人面接官があなたの経歴を把握するためや、企業があなたの英語力を確かめるために求められるもの。盛り込むべき内容は、日本の職務経歴書に似ています。
ただし、外資系企業では積極的な姿勢が評価されるため、内容を構成する際は自分を売り込んでいくスタンスを忘れずに。
実績やアピールポイントなどは明瞭に書きましょう。
また、書き言葉として正しい英語が使えているか、シンプルな言い回しになっているかなども都度確認しましょう。スペルミスにも細心の注意を。
要点を絞り、読みやすい書類の作成がポイントです。
英文履歴書の体裁
英文履歴書は基本的に自由形式と言われていますが、ここでは製薬業界の中で最もスタンダードなものを例に挙げます。
- パソコン(Wordなど)で作成
- サイズはA4、2枚以内にまとめる (基本は1枚。書く内容が多い方は、2枚以内を目安にすると良いでしょう。)
- フォントはTimes new romanが妥当、文字サイズは10~11 (日本語の職務経歴書よりも、若干小さい文字サイズが目安です。)
文法上注意すべき点
英文履歴書は基本的に自由形式と言われていますが、ここでは製薬業界の中で最もスタンダードなものを例に挙げます。
- 定冠詞、不定冠詞(the,a/anなど)は省略
- 数字表記はアラビア数字で (例:×three years→○3 years)
- 人称代名詞(I,you,they,usなど)は省略
- ビジネス英語を使用し、簡単な表現は避ける
- 文章は動詞で始める
- 【1】 PERSONAL DATA
- 【2】 OBJECTIVE
- 【3】 SAMMARY
- 【4】 WORK EXPERIENCE
- 【5】 EDUCATION
- 【6】 CERTIFICATION
- 【7】 SKILLS
1行目から中央揃えで、以下の4項目を明記。
- 自分の名前
- 住所
- 自宅の電話番号と携帯電話番号
- メールアドレス(PCのアドレス、なければ携帯)
日本の職務経歴書のように「RESUME」などのタイトルや、作成日の記入は必要ありません。
希望するポジション名を記入。各職種別の英語訳は、以下を参照してください。
大分類 | 小分類 | 英語訳 |
---|---|---|
研究職/特許 | 創薬研究 | drug discovery research(ドラッグディスカバリーリサーチ) |
薬効薬理 | 薬効/medical benefits(メディカルベネフィット) 薬理/pharmacological effect(ファマコロジカルエフェクト) 薬効薬理/pharmacology(ファマコロジー) |
|
薬物動態 | drug kinetics(ドラッグケネティクス) | |
毒性・安全性 | 毒性学/toxicology(トキシコロジー) 毒性担当者/toxicologist(トキシコロジスト) 毒性試験/toxicology study(トキシコロジースタディ) 安全性試験/safety study(セーフティスタディ) |
|
特許・その他 | patent(パテント) | |
臨床開発 | プロジェクト マネージャー |
project manager(プロジェクトマネージャー) |
CRA/モニター | clinical research associate(クリニカルリサーチアソシエイト) | |
DM・統計解析 | DM/data management(データマネジメント) | |
QA・QC・監査 | QA/quality assurance (クオリティアシュアランス) QC/quality control(クオリティコントロール) GCP監査/GCPaudit(GCPオーディット) |
|
薬事 | 戦略薬事/regulatory strategy (レギュラトリーストラテジー) | |
開発企画 | Clinical development(クリニカルディベロップメント), Clinical Planning(クリニカルプランニング) |
|
医薬品安全性 監視 (安全性情報) |
pharmacovigilance(ファーマコビジランス) | |
CMC/製造 | 製剤研究/製剤技術 | 製剤分析/pharmaceutical analysis(ファーマシューティカルアナリシス) 製剤研究/pharmaceutical study(ファーマシューティカルスタディ) 製剤技術/formulation(フォーミュレーション) |
CMC薬事 | Chemistry Manufacturing and Control regulatory (ケミストリーマニュファクチャリングアンドコントロールレギュラトリー) |
|
品質管理・品質保証 | 品質保証/quality assurance(クオリティアシュアランス) 品質管理/quality control(クオリティコントロール) |
|
生産管理/SCM | 生産管理/manufacturing management SCM/Supply Chain Managemen |
|
生産技術/製造技術 | manufacturing technique | |
MR/マーケ/その他営業 | MR | medical representative |
マーケティング | marketing | |
その他営業 | sales | |
学術/リエゾン/PMS | 学術・教育研修・資材作成 | 学術/medical adviser 教育/trainer |
リエゾン | liaison | |
市販後調査/PMS | post-marketing surveillance | |
事業開発/ライセンシング | 事業開発・ライセンシング | 事業開発/business development ライセンシング/licensing |
医師/薬剤師 | 医師 | doctor |
薬剤師 | pharmacist |
培ってきた経歴・スキルを端的に記載しましょう。記載する内容を、実績数字やアピールしたい経験に絞ることがポイントです。
項目名の通り「要約」なので、自身の経歴を全て書く必要はありません。
2~3行の簡潔な文章でまとめるか、箇条書きにするとわかりやすく仕上がります。
自身の経歴を、直近のものからさかのぼって書いていきます。ここは省略しないこと。
ベースは日本語で作成した職務経歴書と同じでかまいませんが、使用したツール・機材、テスト・評価の方法などを具体的に書くと、あなたの実力がより伝わりやすくなります。長くなりがちな項目ですが、「箇条書きを効果的に用いる」「アピールできる実績数字や経験は太字で明記する」など、読みやすい文章になるよう工夫しましょう。
大学以降の学歴を記載します。学校名、専攻、卒業年を明記。
大学院を出ている場合は、修士課程と博士課程に分けて記入しましょう。博士号(Ph.D)を持っている人は必ず記載すること。
また、業務に活かせる社外講習などを受けていれば、それらもあわせて記入すると良いでしょう。
受けている講習内容から、本人のモチベーションを評価されることもあります。
応募する職種に関連する資格(MR資格、薬剤師資格など)を中心に、取得年と共に記載。
<例>
- MR資格・・・・・・・Certified Medical Representative
- 薬剤師資格・・・・Pharmacist
- 運転免許・・・・・・Driver’s License
PCスキルや薬事法などの習熟度、語学力を記載。語学力を記載する際、語学が堪能な方は「Fluent in English as well as in Japanese.」、そうでない場合は「Advanced Level(Reading, Writing, Listening, Speaking)」と記載し、細かいレベルについては面接で伝えた方が無難です。この一文だけでなく、TOEFL・TOEICなどの最新スコアも簡潔に記載しましょう。
分析系の業務の人は、使用できる機材・ツールなどもここにまとめます。分量が多くなる場合は、内容ごとに「Computer skills」「Languages」など項目を立てて書きましょう。
上記の内容だけではアピールが弱いと感じる人は「ACHIVEMENT」「OTHERS」といった項目を立て、加わったプロジェクトの内容を具体的に記載すると良いでしょう。アピールできる実績が少ない場合「今後挑戦していきたいこと」などを記し、モチベーションの高さを示すことも手のひとつです。
※英文履歴書の詳しい書き方(フォーマットつき)はこちら(転職Hacks)全て書き終わった後、ビジネス英語の使用が統一されているかチェックしましょう。フランクな言葉遣いが使われていた場合は修正を。
スペルチェックを忘れずに。Wordを使用している場合は、自動スペルチェック機能(表記ゆれチェック)を活用しましょう。 ※ネイティブスピーカーにチェックをお願いする場合は、言い回しやスペルが正しいか確認してもらいましょう。