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【アナリストインタビュー】がん免疫薬、おさえておきたい開発トレンドと市場展望|DRG海外レポート

米国に本社を置くDecision Resources Groupのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。今回は特別編として、5月に来日した同社オンコロジー領域のアナリストKhurram Nawaz氏のインタビューをお届けします。免疫チェックポイント阻害薬の開発トレンドと今後の市場展望について、豊富なデータをもとに解説してもらいました(記事中の図表はすべてNawaz氏提供)。

 

世界で1600以上の臨床試験が進行中

【Khurram Nawaz】Decision Resources Groupオンコロジー領域ディレクターの写真。

【Khurram Nawaz】Decision Resources Groupオンコロジー領域ディレクター。理系修士号(仏エクス=マルセイユ大)。同社入社前は英グラクソ・スミスクラインで統合失調症治療薬などの開発に従事。

 

まずは、免疫チェックポイント阻害薬の開発トレンドについてお話ししたいと思います。

 

免疫チェックポイント阻害薬は、がん免疫療法の中でも特に開発が活発に行われている分野です。現在承認されている6つの免疫チェックポイント阻害薬のうち、PD-1/PD-L1をターゲットとした5つの薬剤の開発状況を見てみると、現在、世界中で1600以上の臨床試験が行われています(2018年4月5日時点)。このうち180以上が臨床第3相(P3)試験です。

 

Ongoing Clinical Development of Current PD-1/PD-L1 Inhibitors. Over 1,600 clinical trials are registered for the five approved PD-1/PD-L1 pathway inhibitors (Opdivo, Keytruda, Tecentriq, Bavencio, and Imfinzi)

 

しかも、新たに開始される臨床試験の数は年を追うごとに増えており、2017年は603本もの新規の試験がスタートしました。免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験は加速度的に増加している状況です。

 

現在行われている臨床試験をがん種別に見てみると、最も多いのは非小細胞肺がん。患者数も多く、市場も大きいので、ほかのがんと比べても臨床試験の数は突出しています。次いで多いのが悪性黒色腫で、以下、固形がん、乳がん、頭頸部扁平上皮がんと続きます。

 

臨床試験の6~8割が併用療法

開発のトレンドとしてもう1つ言及しておくべきなのが、併用療法でしょう。現在行われている免疫チェックポイントの臨床試験の大半が、単剤ではなく他の抗がん剤との併用療法を目的としたものとなっています。

 

薬剤ごとに開発状況を見てみると、現在行われている臨床試験のうち、キイトルーダで66%、オプジーボで73%、イミフィンジで81%、テセントリクで71%、バベンチオで64%が併用療法の試験です。

 

Ongoing Clinical Development of Current PD-1/PD-L1 Inhibitors. The majority of ongoing clinical trials for current PD-1/PD-L1 inhibitors are evaluating these agents as part of combination regimens.

 

市場は2024年に4.5兆円に拡大

さて、今度は市場に目を移してみましょう。

 

われわれは、免疫チェックポイントの市場拡大は今後も加速していくとみています。下のグラフを見てみると、2015年にオプジーボとキイトルーダが非小細胞肺がんの適応を取得したあたりから売り上げの増加に勢いがついたことがわかるでしょう。

 

今後これは、既承認の適応での使用拡大に加え、新たな適応拡大や併用療法の承認によってさらに拡大していきます。2017年に110億ドルだった免疫チェックポイント阻害薬市場は今後、年平均で21%成長し、2024年には430億ドルに達する見通しです。がん治療薬の中でも最も大きなクラスとなります。

 

Immune Checkpoint Inhibitors: Market Forecast

 

キイトルーダ 2022年にオプジーボを抜きトップに

現在、世界で最も売れている免疫チェックポイント阻害薬はオプジーボですが、DRGの最新の市場予測では、2022年にキイトルーダがオプジーボを抜き、このクラスで売り上げトップに躍り出る見通しです。

 

Immune Checkpoint Inhibitors: Market Forecast. Global Sales by Agent

 

肺がんで高いシェアを獲得するのが最大の要因で、やはり非小細胞肺がんでファーストラインの適応を持っている点でキイトルーダが優位です。米国では最近、化学療法との併用療法も承認されました。今の勢いを見ると、キイトルーダがオプジーボを抜く時期はもっと早まるかもしれません。

 

我々は、2024年にキイトルーダは世界売上高131億ドル、オプジーボは120億ドルに達すると予測しています。抗PD-L1抗体ではテセントリクが70億ドル、イミフィンジが61億ドル、バベンチオが19億ドルと予想しており、抗PD-1抗体の方が市場では強そうです。抗PD-1抗体と抗PD-L1抗体の間には臨床的にそれほど大きな差はないというのがコンセンサスですので、やはり肺がんなど患者数の多いがんで先行したことが大きいと言えます。

 

免疫チェックポイント阻害薬の世界売上高を企業別に見てみると、2017年の時点でトップはブリストル・マイヤーズスクイブ(61億9200万ドル)で、2位が米メルク(38億900万ドル)、3位が小野薬品工業(8億1500万ドル)です。

 

Immune Checkpoint Inhibitors: Market Forecast. Global Sales by Company

 

これが2024年になると、首位は米メルク(130億7000万ドル)となり、ブリストル(129億8700万ドル)は2位に後退する見通しです。3位はロシュ(61億4800万ドル)で、小野薬品は14億1700万ドルで6位、中外製薬が8億6100万ドルで7位となります。

 

市場の拡大に伴って、企業の勢力図も大きく変わっていきそうです。

 

記事に関する問い合わせ先
ディシジョン・リソーシズ・グループ(担当:斎藤)
E-mail:ssaito@teamdrg.com
Tell:03-5401-2615

 

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