製薬業界の転職市場のトレンドを、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」(運営元:株式会社クイック)の専任コンサルタントが毎月レポートします。
PV・QAなど安全性部門・品質部門でのニーズが高水準で推移
2018年5月の製薬業界の求人件数は、全体としては前月とほぼ同じ水準でした。
職種別に見てみると、「ライセンシング・事業開発」(12%増)や「製造技術」(10%増)が増加。一方で、「MR」(12%減)や「基礎研究」(11%減)が減少しました。
求人件数が前月から9%増加したPV・PMSは、メーカーとCROの双方で新規の募集が始まりました。組織強化に伴う増員を目的とした募集が多く、マネージャークラス含めてニーズが高い状況が続いています。
品質保証の求人件数も引き続き増加傾向。工場でGMP関連業務を担当するポジションと、本社でGQP関連業務に携わるポジション、双方で新規の募集が出ています。
[今月の注目トピック:CSO]自社のパイプラインに左右されることなくキャリアを積める
MRの求人件数は減少傾向にあるものの、メーカーから営業関連の業務を受託するCSO各社はコントラクトMRの採用を積極的に行っています。中には数十人以上の大型の採用枠を設けているCSOもあり、MR経験者なら随時選考を受けることができます。
日本CSO協会の調査によると、2017年の稼働コントラクトMR数は3515人で、前年から9.5%減少しました。業界全体で営業組織の再編が進む中、17年はその影響がコントラクトMRにも及びましたが、CSOを活用するメーカー自体は増え続けており、同協会はコントラクトMRも今後さらに増えていくと予測しています。
CSOで働く最大のメリットは、会社のパイプラインに左右されることなくMRとしてのキャリアを積めることにあります。
コントラクトMRの多くは2〜3年程度で1つのプロジェクトを担当し、それが終わると新たなプロジェクトに配属されるのが一般的。メーカーでは最近、主力製品の特許切れや将来の製品構成の変化に対応するための早期退職も盛んに行われていますが、コントラクトMRの場合はそうした心配も少ないと言えるでしょう。メーカー側の事情でプロジェクトが予定より早く終了してしまうケースもありますが、受注案件が豊富なCSOなら、すぐに別のプロジェクトに再配属してもらうこともできます。
CSOであれば、長期収載品から新薬へ、といったキャリアアップも可能です。オンコロジーなど疾患領域に特化した研修や、販売戦略立案のためのデータ分析の研修など、研修を充実させるCSOも増えています。
CSOは今や製薬業界に欠かせない存在。コントラクトMRが求められる場面はますます広がっていくと考えられます。今いる会社の将来に不安を感じている人や、MRとしてのキャリア形成に迷っている人は、メーカー以外にも視野を広げてみると新たな道が開けるかもしれません。Answersでは求人だけでなく、キャリア形成に関する情報提供も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
(コンサルタント 小西健太)
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