中央社会保険医療協議会(中医協)は4月11日、サノフィのアトピー性皮膚炎治療薬「デュピクセント」や中外製薬の免疫チェックポイント阻害薬「テセントリク」など新薬15成分22品目の薬価を了承した。収載は18日の予定。
「デュピクセント」(一般名・デュピルマブ)はアトピー性皮膚炎向けの抗体医薬。薬価は原価計算方式で算定され、300mg2mL1筒8万1640円となった。▽新規作用機序である▽治療法の改善が示されている――点が評価され、45%の有用性加算(I)がついた(原価の開示度による加算係数は0.2)。ピーク時に329億円の売上高を見込む。
抗PD-L1抗体「テセントリク」(アテゾリズマブ)は、小野薬品工業の「オプジーボ」を類似薬とする類似薬効比較方式(I)で算定された。薬価は1200mg20mL1瓶62万5567円。1日薬価は2万9789円で、オプジーボと同じ。ピーク時の売上高予測は285億円。
アストラゼネカの抗がん剤「リムパーザ」(オラパリブ)の薬価収載も了承。PARP阻害薬と呼ばれる国内初の新規作用機序を持つ同剤は、原価計算方式で薬価算定され、5%の有用性加算(I)がついた(原価の開示度による加算係数は0.2)。薬価は100mg1錠3996.00円、150mg1錠5932.50円。
この日薬価収載が了承されたのは、このほか、
▽抗精神病薬「レキサルティ」(ブレクスピプラゾール、大塚製薬)
▽高脂血症治療薬「アトーゼット」(エゼチミブ/アトルバスタチン、MSD)
▽慢性便秘症治療薬「グーフィス」(エロビキシバット、EAファーマ)
▽気管支喘息治療薬「ファセンラ」(ベンラリズマブ、アストラゼネカ)
▽抗がん剤「べスポンサ」(イノツズマブ オゾガマイシン、ファイザー)
▽抗アレルギー薬「アレサガテープ」(エメダスチン、久光製薬)
など。
17年7月に承認を取得していながら、同年8月、11月と2回連続で薬価収載が見送られていたセルジーンのT細胞リンパ腫治療薬「イストダックス」(ロミデプシン)の収載も了承。17年11月の薬価収載を見送ったスギ花粉症対する舌下免疫療法療法薬「シダキュア舌下錠」(スギ花粉エキス原末)も収載されることとなった。シダキュアには有用性加算(II)と小児加算がついた。
ピーク時の売上高予測が100億円を超えたのは、デュピクセントとテセントリクのほか、レキサルティとアトーゼット、グーフィス、ファセンラの6成分。アトーゼットの薬価は1錠177.00円でゼチーア単剤と同価格となった。ピーク時には277億円の売り上げを見込む。