2015年の段階で薬剤師資格を持つ薬学部生の就職状況は、売り手市場(学生が有利)と言え、この傾向は2016年(2017年採用)でも続くものと見られています。2009年に改正薬剤師法により薬学部が4年制から6年制に移行したことで、医療機関や企業にとって、2009~2011年は新卒のいない空白の2年間に。6年制の新卒が就職を始めた2012年以降は、この2年間で採用できなかった分を取り戻すかのように、新卒採用が活発化。毎年就職率90%前後、有効求人倍率3~5倍と言われています。
また、学生にとってもうひとつ追い風となるのは、ここ数年間で新規にオープンする薬局・ドラッグストアの数が増えていること。
それに伴い、採用枠もより多くなっています。ただし、調剤薬局やドラッグストアの求人に比べると、大学病院や研究・開発職は募集が少ない傾向にあります。このため、難関求人へ応募する際は、できるだけ応募先を絞り込みすぎない方が無難といえるでしょう。
薬学部生の進路として、最もオーソドックスなのが、薬局への勤務で、全体の37%程度を占めています。
続いて多いのは病院で、その後はドラッグストア、MRやCRA(臨床開発モニター)といった製薬メーカーへの就職が続きます。
ですが、就職活動は今後数十年と続く社会人生活の大切な第一歩。
卒業生たちの進路をある程度参考にするのは大切ですが、「みんなが選んでいるから」という安易な理由だけで就職先を決めるのは禁物です。
就職活動を進める際は“就職先選びの軸”を決める必要があります。“就職先選びの軸”は、文字通り応募先・入社先を決める上で大切なモノサシになるだけでなく、面接やエントリーシートにおける志望動機や自己アピールの元ネタにもなる大切な要素。今のうちからじっくり自己分析をして明らかにしておきましょう。
“就職先選びの軸”は、次の3つから導き出すことが一般的です。
女性の場合は、結婚・出産後どう働きたいかによっても、企業選びは大きく変わります。まだ先のことかもしれませんが、出産後もすぐに同じ職場で働きたいか、それとも子育てに専念したいか…など、ざっくりとしたイメージは持っておいた方が無難です。
“研究”や“調剤業務”など、思い描いているイメージはあるかもしれませんが、それだけで決めるのではなく、自分自身の性格や今後どうなりたいか(将来のヴィジョン)といったことに合致しているか考慮することも大切です。
就職先選びの軸が決まったら、それに合う企業を複数ピックアップしていきましょう。
薬学部を卒業した人の進路には、どのようなものがあるでしょうか。
最もオーソドックスな調剤薬局の薬剤師をはじめ、主に次のようなものがあります。
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